法律Q&A 区分所有法改正に伴う管理規約の改正(2026年3月号掲載)
Q
昨年、標準管理規約が改正されたと聞きました。それに伴い、私のマンションでも管理規約を改正する必要があるのでしょうか。
A
ご指摘のとおり、昨年10月に標準管理規約が改正されました。マンション管理・再生の円滑化が主な改正理由です。この新しい標準管理規約は、本年4月1日から施行される改正された区分所有法などに対応した内容になっています。今回の法改正により、従前の標準管理規約に準拠した管理規約ですと、法に抵触してしまう箇所が生じます。そこで、国土交通省において管理規約の改正が必須と指摘している箇所3つをご説明します。また、規約改正を行う総会にて注意すべき点についてもご説明します。
一つ目は、総会決議における多数決要件についてです(標準管理規約47条(単棟型))。改正点は6点で、①「特別決議」の決議要件が「組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上」から「総会に出席した組合員及びその議決権の各4分の3以上」へ変更、②「特別決議」の総会定足数を「組合員総数及び議決権総数の各「過半数」と規定、③「通常決議」の総会定足数が議決権総数の「半数以上」から「過半数」へ変更、④バリアフリー化による共用部分の変更等に係る決議の多数決要件が4分の3から3分の2に緩和、⑤新たなマンション再生手法である更新・売却・取壊しを行う場合の多数決要件を規定、⑥客観的な事由が認められる場合のマンション再生に係る決議の多数決要件が5分の4から4分の3に緩和、となります。
二つ目は、総会招集通知についてです(同43条)。改正点は3点で、①通知事項として、全ての議案について「議案の要領」を示すよう変更、②共用部分の変更に係る決議及びマンション再生決議について、多数決要件が緩和される場合には通知事項とする旨規定、③緊急に総会を招集する際の通知の発送について、最短期間を「5日間」から「1週間」に変更、となります。
三つ目は、共有部分等に係る損害賠償請求権等の代理行使に関するものです(同24条の2)。例えば、共用部分の大規模修繕において、業者がずさんな工事をしたため、理事長が損害賠償請求をしようとした際、旧法ですと、その後に区分所有者が居室を売却してしまったとき、理事長が一括して損害賠償請求することができませんでした。そこで、旧区分所有者も含めて一括して理事長が請求できるとの改正がなされました。これに合わせて標準管理規約においても、その旨の条文が新設されました。
以上の三つについては、改正標準管理規約に準拠するよう、速やかに改正すべきです。その規約改正を行う総会にて注意すべきは、本年4月1日からは、改正区分所有法に抵触する管理規約は、その効力を失うという点です。そのため、本年4月1日以降に招集通知を発する総会にて規約を改正する場合は、改正区分所有法に則った手続を行わなければなりません。具体的には、組合員総数及び議決権総数の各過半数が出席し、その出席した組合員及びその議決権の各4分の3以上にて、規約改正が可決されることになります。なお、規約改正だけでなく、普通決議議案も審議する場合には、その議案についても議案の要領を示して招集通知を発する必要がありますので注意してください。
法律相談会専門相談員 弁護士 内藤 太郎(2026年3月号掲載)