高齢者向け住まい探しのポイント②

自分の体の状態とサービス内容を確認

 高齢者向け住まい探しのポイントとして、先月号では、お金の問題について、毎月施設にかかる月額利用料の中身をよく確認すると同時に、月額利用料以外にかかる費用も確認して、無理なく支払いのできる範囲で住まい選びを行うことをお伝えしました。
 今月は、自分の体の状態によって変わる高齢者向け住まいの選びかたについて説明します。
 高齢者向け住まいを探す理由は様々あると思われます。例えば、病気やケガで入院して、退院後、元の住居には住むのが難しいという場合や、自分の事は自分でできるが、自宅は段差が多くて今のままでは住みづらいので、段差の無い住まいに移りたいなど、個人の体の状態が、高齢者向け住まい選びには大きく影響します。
 退院後の住居で考えると、退院後も医療処置が必要な場合は、病院が近くにある施設の方が利用しやすいでしょうし、施設が病院と連携しているため、必要な医療処置を施設内で受けられるところもあります。
 また、医療処置が24時間体制で受けられるようになっているか否かも、人によっては重要な選択のポイントとなります。
 特に認知症の症状も無く、自分の事は自分でできる人は、要支援・要介護状態であることを条件にしている施設以外は、どこにでも入居が可能ですが、将来的に要介護状態になった時にはどうなるかまで確認したほうが良いでしょう。介護が必要な状態になると、出ていかなければならない施設もあるからです。
 このように、個人の体の状態により、選べる高齢者向けの住まいは様々です。施設のサービスがどこまで対応してくれるのか確認しましょう。また、今は元気でも、将来どの様に体の状態が変化するかわかりません。そこで、体の状態が変化した時(例・認知症になった時、日常生活に介助が必要になった時等)、施設の利用が可能か、可能であれば、どの様なサービスが受けられるのかまで確認して、住まい選びをすることが大切です。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2015年6月号掲載)