高齢者向け住まい探しのポイント③

立地も重要です

 高齢者向け住まい探しをするとき、その住まいがどこにあるのか、「立地」も重要です。
 入院先の病院から退院を迫られ、元の住宅に戻るのが難しい場合や、一時的な滞在の場合等は、それほど住まいの「立地」を気にすることはできないかもしれません。しかし、時間があるなら良く考えましょう。
 高齢者向け住まいの入居期間は、平均3~5年、長い人では10年以上と長期間滞在することになるからです。
 まずは「自分」がどんなところに住みたいかを考えましょう。
 住環境の大きな変化を望まないならば、「今の住まいの近く」という選択もあります。あるいは思い切って、「熱海の様な海の見える温泉地の近く」、「生まれ故郷の近く」、「買い物など便利なもっと都心の近く」など、様々な考え方があると思います。
 併せて、自分の住みたいところが、「家族や友人が訪問しやすいか」も気にしたいところです。せっかく自分の希望にあった住まいに入居したのに、交通の便が悪い、あるいは、今までの住まいから遠すぎて、家族や友人の訪問が少なくなり、寂しい思いをするのは避けたいところです。
 そのようなところでは、本人の外出もままならないでしょうから、住宅内に閉じこもりがちになる可能性があります。「家族等が訪問しやすいか」ということも、住まい選びで重要視したいところです。
 さらに、将来の自分の体の状態も考えましょう。
 誰の助けも無く、自由に動ける状態であれば、入居した住まいの周辺に多少起伏があっても外出できるでしょうが、将来、体調が変化し、要介護状態が進むような事態になれば、自由に外出するのは難しくなります。
 今の体の状態だけを基準にせず、将来的に自由が利かなくなる事も想定して、住まいの周辺の環境(段差や起伏が激しくないか、等)も考えることが必要でしょう。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2015年7月号掲載)