高齢者向け住まい探しのポイント①

 多種多様な高齢者向け住まい選びの参考に、先月号は各住まいの特徴等を一覧表にまとめました。
 しかし、実際に住まいを探そうにも、何を基準に探せばいいのかわからないという事もあるでしょう。

 そこで今月からは、高齢者向け住まいを探す時のポイントを掲載します。

 ここでは、施設の数も多く、特別養護老人ホームの空待ちにも利用されることの多い「有料老人ホーム」を探す場合を前提とします。

 まずは何と言っても「お金」の問題。「有料老人ホーム」に入居する際、「一時金」と「月額利用料」が必要となります。両方必要なところもあれば、最近は、「月額利用料」だけで、入居できる施設も増えてきているようです。

 注意が必要なのは、この「月額利用料」です。

「月額利用料」の内訳を確認しましょう

 ご自身が月額利用料の支払可能額を考える際、今の収入を基準に考えるかと思いますが、有料老人ホームの月額利用料は、一般に別表のような内容となっており、医療費や介護保険利用時の1割の自己負担分は含まれていません。また、管理費も、共用部分の水道光熱費は含まれていますが、個室の水道光熱費は別の事もあります。

 そのため、施設の月額利用料が、今の収入とそう変わらないところを選んだ場合、入居後に医療費が必要になった場合や、要介護度が上がって、月々の介護保険の自己負担額の支払いが増えると、施設への支払いが困難になることが予想されます。

 その他にも、個人の嗜好品購入費、理美容費、施設の行うレクリエーション費は当然月額利用料には含まれていません。これらにかける費用を全く無くすことは、潤いの無い生活を送ることになりかねません。

 月額利用料の内訳をよく施設に確認し、かつ、体験入居ができる施設もありますので、可能であれば体験入居もしてみたうえで、施設を決めるようにしましょう。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2015年5月号掲載)