災害関連死ゼロの社会を目指す㊷ 2025年8月

熱中症
 気温が高まり、普段の生活でも熱中症は死に至る可能性のある重篤な病気ですが、地震はもとより、夏季の豪雨や台風などの風水害の災害時には、避難所での慣れない環境や復旧作業という重労働で熱中症のリスクは余計に高まります。また在宅避難においても、冷房機器が使用できない場合、熱中症のリスクは高まります。しかし、熱中症は、適切な予防・対処を行えば、防ぐことができます。

災害時の熱中症予防
 ここでは、災害時の熱中症対策にお伝えします。

◎水分・塩分を補給する
 災害時はトイレに行くことを控えるという気持ちが高まり、水分をとる量が減りがちですが、気温が高くなると脱水状態になりやすいため、意識してこまめに水分を補給する必要があります。
 また汗をかきやすい状況では塩分を補給することが大切になります。
 大切なことはのどが渇いていなくてもこまめに水分・塩分を取ることになります。
◎体を涼しく保つ
 涼しい服装(通気性・速乾性にすぐれた素材のものがおすすめ)や日傘、帽子で身を守ります。
 また、在宅避難の場合、電気が使えるときはクーラーの積極的な活用をします。その他、うちわやネッククーラーや(携帯型)扇風機、冷却グッズなどの組み合わせで体を涼しく保つことができます。
◎日差しを避ける
 屋外での作業時や移動時には、帽子や通気性の良い長袖の衣服などで直射日光を避け、暑さから体を守ります。
◎暑さに関する情報を確認します
 温度計や湿度計を使用し、自分のいる環境を知るようにします。
 また環境省の「熱中症予防情報サイト」の活用もおすすめです。
◎家族や周囲の人の体調を気にかける
 家族や周囲の人とお互いに声を掛け合い、少しでも不調を感じた時は、すぐに周囲の人に伝えるようにします。
 その他にも暑い時間帯の作業は避ける、できるだけ2人以上で作業を行い、お互いの体調管理を行う、少しでも体調が悪い場合は作業を行わない、高齢者・こども・障害者の方々は特に気を付けるなどが挙げられます。
 災害時は体調を崩してもすぐに対応できない場合もあるため、少しでも不調を感じたときは、すぐに周囲の人に伝えていくことが大切になります。

一般社団法人地域防災支援協会
https://www.boushikyo.jp/
一般社団法人日本環境保健機構
https://jeho.or.jp/