建物Q&A 工事会社へ見積依頼する際にはどのような資料の提供が必要ですか?(2022年10月号掲載)

 大規模修繕の施工会社決定のため入札を予定しています。どの様な書類を見積会社に提供するのでしょうか?設計コンサルタントに調査報告書や仕様書・設計見積書などを作成してもらっています。このうち設計見積書以外を提供すれば良いのでしょうか?

 工事発注の際は工事会社に見積を提出してもらいます。今回の場合は設計事務所がコンサルタントとして参加しているので、設計監理方式で工事を行うのだと思われます。

 まず管理組合が見積を依頼する場合は「入札方式」は採用せず「見積合せ方式」を採用するのが通常です。

 「入札方式」は官公庁が工事発注の際に採用する見積依頼方式で、提出された見積額が最低業者に落札する方式です。見積金額だけで決定しているようですが、官公庁では事前に工事会社のランク付け(格付け)をして、工事毎に同一ランク内の工事会社に入札依頼をするため、どの会社に落札しても、同等の能力・実績・管理体制・経営内容の会社で一番見積額が安い会社に決まることになります。

 一方、管理組合では施工会社のランク付けなど持ち合わせて無く、一番安い工事会社に発注すると”施工能力や実績が乏しい会社”への工事依頼になる可能性があります。このため、工事見積書だけではなく施工能力・実績・管理体制・経営内容に関する資料を提出してもらい書類審査し、又面談(ヒアリング)で現場監督予定者の資質(工事の出来は現場監督次第と言われます)や会社の取組姿勢などを評価し、総合的に1社に決める「見積合せ方式」を採用します。

 この見積合せ方式で見積依頼するには、以下の資料を見積会社に提供します。

 ①見積要項(見積条件書)
 ②設計仕様書・設計図
 ③見積内訳書式(書式を統一しないと見積の比較が困難になります。通常、設計事務所が作成した設計見積書の金額を消したものを使います)
 ④質疑書式(見積に関する質問は決めた書式の書面で提出してもらい、その回答は全社に共通して回答し、回答書は見積条件の一つになります。)
 ⑤新築時の竣工図の写し(事前調査や積算数量算出(確認)に使います)
 ⑥見積時提出資料一覧(見積書・決算書・工事実績表・在席技術者数・建設業許可証写し・会社概要等)

NPO日住協協力技術者 一級建築士 山田 俊二

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2022年10月号掲載)