シニア向け分譲マンション①

財産として残せる住宅

 高齢者向けの施設や住宅と言うと、誰かのお世話になりながら静かに生活するというイメージがあるが、これから紹介する「シニア向け分譲マンション」は、そのイメージとはかなり違う。
 特長は、別表の通り。「分譲マンション」とあるように、入居するには、マンションの専有部分を買うことになる。分譲価格はマンションにより様々だが、一千万円台から、なかには数億円というものもある。
 部屋のタイプは、単身者向けには1LDK、夫婦向けには2LDKで分譲されることが多い。室内がバリアフリー化されているのはもちろん、緊急時のコールボタンや、一定時間以上、人の動きが感知されないと、管理室に通報されるセンサーが設置されているマンションもある。
 老人ホームに入居する際に支払う一時入居金は、その老人ホームを終身で利用するための権利を買うものであるのに対し、シニア向け分譲マンションは、不動産を買うことになるため、購入後、売却することや、賃貸、相続できることが大きな違いとなる。

充実した共用施設

 マンション内には、大浴場やプール、フィットネスジム、カラオケ等ができる多目的ホール、専用の運動場など、様々な共用施設がある。
 これらは、入居者がクラブを結成するなどして、セカンドライフを楽しく過ごすために利用される。
 また、レストランも併設されており、入居者はきちんと栄養管理された食事を毎食摂ることができる。さらに、看護師や介護士、ケアマネージャーが常駐するなど、医療・介護のケア施設も充実している。
 毎月の費用は分譲マンションのため、管理費と修繕積立金の他に、施設の維持費や食費等も含めると、十数万円~数十万円程度はかかるようである。

自立したアクティブシニア向けの住宅

 セカンドライフを楽しむ施設が充実したマンションは、自立して生活できる、アクティブシニア向けの住宅と言える。
 なお、入居中介護が必要になった場合は、訪問介護を利用する事が可能だが、要介護状態が高くなると、退去する必要のあるマンションもある。 来月号は、シニア向け分譲マンションの暮らしについてお伝えする。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2016年4月号掲載)