身の回りを整理しよう⑩ 資産の整理

 今月は資産の整理について考えてみます。

お金に換算できるものが「資産」

 ここでいう「資産」とは何のことでしょうか。
現金、不動産、預貯金、有価証券、貴金属、骨董品等々、たくさん挙げられますが、それらをまとめると、ここでは、お金に換算できるものが「資産」ということになります。

 「資産」というと、何となくプラスになるものというイメージがありますが、借金や未払金、連帯保証等のマイナスの資産も「資産」です。

資産を一覧表にする

 自分の資産は、一覧表にすると把握しやすくなります。よくエンディングノートに「財産目録」として掲載されているので、それらを参考にすると作成しやすくなります。

資産を具体的に書く

 一覧表にまとめる際、資産の内容は具体的に書きましょう。

 例えば、不動産は自宅はもちろん、投資用のものがあれば、それらの広さ、所有者等。登記簿謄本や権利証と一緒にすると分かりやすくなります。

 預貯金は、どこの金融機関で、名義人は誰か、そして通帳と印鑑もどこにあるのか記載します。

 最近はネット銀行やネット証券が普及していますが、ネット銀行等は、取引内容を印刷しない限りその存在がネット上に限られ、金融機関との連絡もネット経由で行われることが多いため、家族といえども、存在を知る術がありません。そのためネット銀行等の口座番号や口座へのログイン用ID、パスワードも記載する必要があります。

一覧表を更新する

 資産の一覧表は、一度作成したら、それで終わりではありません。銀行口座の解約等、資産の異動があった時には更新が必要です。毎年自分の誕生月に更新する等、更新のルールを決め、更新の日付も記載しましょう。

一覧表の存在を教える

 そして、この一覧表がどこにあるのか教えておかないと、いざという時に、せっかく作った一覧表が活用されないことになります。

 教えるのが誰でもいいわけではありません。信頼のおける家族や知り合いに、その存在と保管場所を、データとして保存する場合は、データを開くパスワードをかけて保存するでしょうから、パスワードも教える必要があります。

資産を減らす

 資産を一覧表で把握したあとは、資産を減らすことも考えましょう。相続対策で借金してアパートを建てる等の場合は別ですが、マイナスの資産がある場合は、それを減らすことが第一です。

 また、一覧表をよく見ると、知り合いに頼まれて作ったはいいものの、全く使ってない銀行口座やクレジットカードがあるかもしれません。

 あるいは、活用することなく、毎年固定資産税や管理費を支払うだけで、実質マイナスの資産になっている不動産があるかもしれません。そのような資産も、この際減らしていきましょう。

 そうすることで、自分自身の資産管理が楽になるとともに、将来相続が発生した時に、残された遺族にとっても、資産の把握が楽になり、負担が減ることになります。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2020年7月号掲載)