管理委託相談会からー20戸のワンルーム型マンション、管理会社を替えたいが… (2003年6月号掲載)

Q.

東京都区内の20戸のワンルーム型マンション。地下鉄の駅近くで区役所の前です。

管理会社の業務の進め方が悪いので変更したいのですが、管理組合役員の意見はバラバラで、他の住民も無関心です。

あるべき管理状態にしたいと思いますが、管理会社の変更をどのように進めたらよいでしょうか。

A.

1.昨年の九月号で、「等価交換マンションの管理会社の変更手続」について書きました。その相談も、管理組合内部の意見がまとまらずに困っているものでした。この二つの相談には類似点があります。都心型、小規模、賃貸住戸が多い、管理会社も分譲よりは賃貸マンションを得意とする不動産管理会社であるなどの点です。

2.右の類似点を持つマンションは、区分所有者の合意形成が難しい、という共通点があります。

理由は、各専有部分の使用方法が異なっているうえに、区分所有者の生活形態も異なっているので生活意識が違います。投資用資産として購入している人もあります。干渉されないのがよい、という人もいます。したがって、もともとコミュニティ形成の難しいマンションといわざるを得ません。

3.分譲マンションの本来あるべき管理体制からみれば、いろいろな問題を抱えています。

しかし、管理組合の運営がいわゆる区分所有法で想定されている以上、管理会社の変更、管理規約の改正等、いずれも集会による区分所有者の賛同を得なければなりません。

一部の役員だけで、進めようとしてもなかなかうまくいかない現実があります。管理組合の広報活動等を積み重ねて、区分所有者皆さんの理解が広がっていくように努力を続けてください。

回答者:NPO日住協・専門相談員
久保泰男
(2003年6月号掲載)