ウォーターハンマー対策(その3)

さや管ヘッダー工法

近年集合住宅の配管は従来の金属配管からポリエチレン等の樹脂管をヘッダーと呼ばれる分岐部から各水栓へ樹脂製さや管内を通して直接繋ぐ「さや管ヘッダー工法」になり、その工法の特徴は、
赤水の発生やスケールが付着しにくいため清潔で衛生的。
耐塩素水性に優れ、酸アルカリ等の薬品にも強く耐久性がある。
軽量・柔軟でネジ切り加工等も不要。
耐震性、耐寒耐熱性に富み耐久性に優れる。
配管更新の場合、建物を壊さずにさや管内の樹脂管交換が可能等の長所に加え極めて簡単な工法な為建築コストを下げることに貢献しました。
アメリカでは二十五年程前にポリエチレン樹脂管工法が導入され普及しだしましたが、日本では建物の寿命(約五十~六十年)に比較し、配管設備の寿命は十五~二十年と短い為、メンテナンスを考慮してさや管内に通水管を通すようにしたものです。配管業者の保護も兼ね集合住宅の屋内水道管として十年来普及してきましたが、平成10年、規制緩和により一般の戸建て住宅やアパートにも樹脂管の使用が可能になりました。
当初、さや管工法はさや管をコンクリートスラブ内に埋め込んだシンダーコンクリート埋込配管やコンクリート床上にサドル等の止め具で固定させる床ころがし配管でしたが、最近の集合住宅ではほとんどが天井裏を這わせたり、一部をサドルで固定する天井配管になりました。
さや管ヘッダー工法とウォターハンマー現象
急閉止による水圧変動が発生した場合、通水管は多少膨張することにより水圧変動をある程度抑制可能ですが、通水管が過大に振動し、さや管に繰返し衝突する「さや管叩き音」が生活騒音として問題になっています。
さや管叩き音は金属配管での水撃騒音に比較し高周波数で可聴音域内に存在する為不快感も大きく、水撃防止器により水圧変動のピークを抑え通水管の振れを抑制する対策が有効です。

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さや管と水撃対策

さや管天井配管

近年集合住宅やプレハブ住宅の配管工法として設計図に従い適度な長さの配管とヘッダーや継手といった部材を工場で組み立てユニット化したものを施工現場に持込み天井裏等を配管させるユニット工法が増えています。
さや管天井配管の場合外径3.7 センチのさや管は通常天井裏のスペースにサドル等の固定具で止められ、厚さ4センチ程の縦壁内でもサドル数箇所で固定され、水栓器具まで接続されます。
洗面室やユニットバスの水回りも天井配管にするケースがありますが、多くの場合これらには排水スペースがあり、床転がし配管にしその他の給水給湯のみに天井配管を併用する場合が多くなっています。
天井配管の場合、水撃現象発生の基本条件3つを以前に述べましたが、天井までの縦配管のために配管長が各段に長くなり水撃が発生し易く通水管が振れ繰り返しさや管に当たる「さや管叩き音」が生活騒音として問題になっています。
また、浴室近辺では浴室で音が共鳴しリビング等の居住スペースを含む天井裏全体で反響し騒音を発生させるケースも多くあります。

さや管と水撃対策

筆者はこれらのケースにも立ち会い、問題を解決した経験があります。
その経験からしますと、「さや管叩き音」の対策として通水管とさや管の間に消音テープや樹脂性の消音棒を通す方法もありますが、壁の内側でさや管全体を振るわせ壁を叩いたり、ヘッダー部近辺で束ねた数本のさや管全体を振るわせる場合も多くこれらの症状に消音テープでは有効ではありません。
また、建築メーカーの施工指示内容は判りませんが、現場対策にてさや管メーカーのカタログの様に1メートル以内にて固定しているケースは稀で、極端な場合、天井裏に単にさや管を這わせ「ゴソゴソ」「ドンドン」鳴らす手抜きと思えるケースも多々直面しています。
水撃防止器により水撃圧力のピークをカットし通水管やさや管全体の振れを抑制する対策方法何れの場合にも有効です。

まとめ

ウォーターハンマー対策シリーズ最終回として、読者の皆様から重複したご質問および説明し残したことを述べます。

発生原因の特定

ウォーターハンマーは、発生の原因となる急閉止機器または操作と、実際に騒音や衝撃音となって現れる場所が異なります。
従って発生原因の特定は2人以上にて実施し、1名は騒音発生箇所、もう1名がシングルレバー水栓や洗濯機等の急閉止操作を実施し、操作と騒音発生のタイミングが一致した場合、それが発生原因の機器になります。
原因機器の直近に「小無騒」を取付けるのが最も効果的で、シングルレバーが原因の場合は水と湯の両方の操作を行い、両方で騒音が発生する場合はシンク下の両方の止水栓ハンドルを「小無騒」と取替ます。洗濯機が原因の場合は、洗濯機用水栓のハンドルを取替れば通常の開閉もできます。

個別止水栓が無い

キッチンのシングルレバーのシンク下に個別止水栓が見えない、あるいは付いていない場合があります。その様な場合でも、多くはネジ留めされた板の裏側に付いています。
立上げ配管から直接配管されている場合には、ホームセンター等で15Aオス-メス-メスのT字とシールテープを購入し、「小無騒」15Aオスネジ型で対策ができます。
どの止水栓にも合致
「小無騒」ハンドル取替型と同形式の袋ナットを利用した止水栓、万能水栓のハンドル部は、平成になり全てのメーカーの規格が統一されました。
平成以前のイナックス品のみ、ネジピッチが異なり取付けできません。その場合は新しい水栓を購入しハンドル部を取替て下さい。

最後に

おかげさまで読者の皆様から多くのご質問・ご注文を頂き、感謝致します。
また発生原因や対策について、世界常識と異なる説明を配管業者や管理会社から受け、より高価な暫定対策を取らされた個人や管理組合、また少数の反対に合い1軒1万円程の対策に到らなかった管理組合等、様々なお話をうかがうことができました。
「小無騒」のOEM姉妹品も、(株)タブチの「メゾン2」等に加え、新型の(株)キッツ「静丸」等、大手数社にも採用が決まり日本の水撃対策も進展の兆しが見えてきました。どうもありがとうございました。

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