創刊300号記念特集 『再生か建替えか?!』

 分譲マンションは現在、全国規模で500万戸を数え都市型の居住形態として定着しているとみられるが、「老朽化」の目安とされる築後30年を超えるストックが100万戸を超え、建替え或いは再生といった選択肢を踏まえた岐路に差し掛かりつつある。

 本紙300号の記念特集を迎えるにあたっては、創刊当初(82年)、初期の公団分譲の例では月額100円の修繕積立金であったし、マンションではコンクリート造建物の補修とコミュニティは要らないというのが一大風潮であった。それが現在では計画修繕がほぼ全面的に受け入れられ定着しつつある。

 ここでは築後30年超ストックマンションを高経年マンションと捉え、差し迫る選択の時期をにらみ、マンション建替えとエレベーター(EV)の増設、屋上、居室、地下の増・減築を含んだリノベーション、リモデリングといったマンション再生(一般の修繕を含まない)の狭間の中で、機能的陳腐化の傾向を経年とともに強めるマンションストックの現状を踏まえつつ、今後の将来像を把握する手立てとしてアンケート調査を加え多角的な分析を試みる。

創刊300号記念特集 『再生か建替えか?!』(PDFファイル)

(本紙客員編集委員・明海大学不動産学部講師 竹田 智志)

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2007年9月号掲載)