都の住宅政策審議会が新たなマンション施策について答申

 東京都の住宅政策審議会(会長:小林秀樹千葉大学大学院教授)は、「東京におけるマンション施策の新たな展開について」答申を行った。
 同答申は、東京都知事からの諮問を受け、今年7月に答申案が公表され、都民からの意見も求めてまとめられた。
 都内のマンションストックは全国の4分の1に相当する約168万戸となっており、築40年を超えるマンションが、現在の約12.6万戸から10年後には約42.8万戸に急増するとみられている。その中には、1981年以前に建てられた旧耐震基準マンションや、さらに1971年以前の旧旧耐震基準マンションも含まれ、これらのマンションの耐震性の確保による安全性の確保や、建物老朽化に伴い、居住者の高齢化も進むことから、マンションの管理不全が懸念されている。
 答申では、これらの懸念に対し、マンションの実態を把握するため、マンションの所在地等の基本情報をデータベース化し、管理不全の兆候が見られるマンションには、行政から管理組合へ支援を行い、それでも行政の支援を受け入れないマンションに対しては、新たな条例を制定し、管理組合に管理状況等の報告を義務付け、従わない場合の措置についても検討すべきとしている。
 また老朽マンションの再生については、実態の把握を行うと同時に、改修、建替え、敷地の一括売却等の再生手法について、区分所有者の同意形成を支援するため、新たな事業手法の創設や税制優遇等を求めていくとしている。
 マンションの耐震性確保については、緊急輸送道路沿道や、公共性、公益性の観点から耐震性の確保が特に必要と考えられるマンションは、優先的、重点的に耐震化の促進を図ることとしている。