Bさんは規約違反して民泊使用の疑い/管理組合として民泊をやめさせるには(2018年5月掲載)

私達のマンションでは規約を改正して民泊禁止の規定を置きました。ところが、組合員のAさんから隣のBさんの部屋に入れ替わり外国人らしき人が出入りしている。民泊として使用しているのではないかとの報告がありました。外部居住者であるBさんに連絡をして確認したら、民泊には使用していない。留学したときに知り合った友達に一時的に貸しているだけだと反論されました。Bさんは嘘をついていると思うのですが、管理組合としては民泊をやめさせるためにどのような手段がとれるのでしょうか。

まず、Bさんが民泊には使用していないと反論しているので、民泊に使用しているという証拠を集める必要があります。管理組合側として最初にやるべきことは民泊として使用していることを裏付ける事実を記録して残しておくということです。

記録は写真とかビデオで残しておくことが望ましいですが、違法駐車している車とは異なり、対象が人物ですので撮影に際してはトラブルになることも想定されるので注意が必要です。業務日誌等に詳細に記録しておくことも有効な方法です。また、役員等に英会話等の語学ができる人がいれば実際に出入りしている人に、どこから来たのか。どういう経緯でBさんの部屋を使うことになったのか。Bさんと面識があるのか等を確認してそれを記録化しておくことも有効な方法です。

本件のようにBさんが否定して裁判になる可能性ある場合は、どの程度の証拠が必要か、それをどのように集めるのかはマンション問題に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。

民泊使用の証拠が集まれば、民泊は規約に違反するものですから、その是正を求めることができます。

一般的には、管理組合から民泊の停止を求める文書を送付して、それでも従わない場合は、区分所有法57条1項に基づいて、民泊を止めることを求める裁判を提起することになります。

この裁判を提起する場合は集会の決議が必要です(なお、管理組合が法人化されている場合は管理組合自体が原告となることができますが、法人化されていない場合は集会で訴訟を遂行する者を指定する必要があります。通常は理事長に訴訟遂行権を委ねるとともに弁護士に依頼する権限も付与しておくことが多いと思います)。この決議は特別決議ではなく、普通決議で足りますが、相手方(本件ではBさん)に対して予め弁明の機会を与えなければなりません。

また、集会の決議では相手方となるBさんも議決権を行使する権利がありますので、議案書などはBさんにもきちんと送付する必要があります。

Bさんが民泊として部屋を使用している場合はそれは違法民泊になります。民泊について規定している「住宅宿泊事業法」では違法な民泊について罰則規定が置かれています。違法民泊は犯罪行為に該当しますので、警察に告発して処罰を求めることが可能です。もっとも、十分な証拠もなくて告発して、民泊ではありませんでしたということになればトラブルも予想されますので、告発する場合は弁護士に相談することをお勧めします。

また、告発ではなくて、違法民泊の可能性がありますので捜査(調査)をお願いしますという申し入れをしてもらうことも検討できます。

回答者:NPO日住協・法律相談会 専門相談員
弁護士・石川 貴康
(2018年5月号掲載)