建物Q&A エアコン室外機を下階住戸の庇の上に設置可能か(2023年12月号掲載)

 古い公団分譲の団地で北側の部屋にバルコニーが付いていないため、エアコン室外機が置く事が出来ません。管理組合では従来から2階の住戸のみ下階(1階)の住戸の北側窓庇の上にエアコン室外機を設置して良いことにしています。過去の理事会で決めたようですが、決定の経緯は不明です。古い住宅ですので、少しでも利便性を高めるために2階住戸のみ窓庇の上にエアコン室外機の設置を許可していきたいと思います。許可するに当たって注意しなければならないこと(構造上の問題、機能上の問題、危害発生等)は無いでしょうか?

 近年は全室エアコンを設置可能なマンションがほとんどですが、古い集合住宅では、エアコン設置可能箇所は1部屋だけしか無いケースが多いようです。お問い合わせのエアコン室外機を置くバルコニーが無い北側の部屋のエアコン室外機を下階住戸の窓庇の上に載せる事についてですが、以下の様な条件をクリアすることが必要です。

①共用部である庇の上に居住者が専有物を載せる事を許可する規約を作って総会で承認を得ておくことが必要です。

②庇がエアコン室外機の荷重(40㎏程度/台)に耐え得るかの確認が必要です。新築時の構造計算書を見ても小庇の構造計算は行っていないケースがほとんどですので、構造図の配筋状況から逆算して積載可能荷重を確認します(構造建築士等に依頼)。

③エアコン室外機の固定方法(躯体にアンカー固定)や振動防止方法(防振ゴムとの設置)室外機から発生する騒音量の限度(60db以下等)を指定し、厳守してもらう。

④エアコン室内機及び室外機からのドレン水(流出水)の処置方法を指定する。(垂れ流さず、排水用配管を設置し雨水排水路へ接続する)

⑤尚、一番重要なのは、上記対策を説明し下階居住者の合意を得ることです。

 高経年の集合住宅も時代のニーズに応じた改善を施し、快適に住まい続ける事が望まれます。禁止事項するだけでなく、可能な限り利便性を高めていく方策を立てるのが高経年住宅の課題です。

NPO日住協協力技術者 一級建築士 山田 俊二

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2023年12月号掲載)