建物Q&A ドライエリアに大量の私有物が置かれ塗装が出来ない(2023年2月号掲載)

 丘陵地に建つ40棟のテラスハウスタイプのマンションです。昨年10月から大規模修繕を始めました。

 丘陵地のため、傾斜地の高い方の1階部分が地下になり、ドライエリアが設けられているタイプの住棟があります。住戸前に設けられたドライエリアは専用庭に匹敵する広い空間で、多くの居住者はそこに物置や様々な私有物を置いて、ドライエリアに面する外壁が覆い隠されている状況です。外壁の塗装を塗り替えるので荷物を片付けるように当該居住者に要請していますが、荷物が多すぎて移動場所が無く対応してもらえません。

 ドライエリアの外壁だけ塗装をやめる訳にはいかないので対応に困っています。他のドライエリア設置マンションの対処事例を教えてください。

 建築基準法で住宅の居室を地下に設けるには、地下の部屋の窓の前に採光・通気が確保出来る空堀を設ける事が必要になります。この空堀をドライエリアと言います。

 ドライエリアはその住戸の専用に設けられているため、物置のように利用し、色々な私有物を置いたり、大きな倉庫を組立て設置し収納庫として利用したり、ドライエリアの上部の開口に雨除けの屋根をかけたりする居住者が散見されます。これらのドライエリアの設置物により大規模修繕工事の外壁塗装や躯体の補修や足場の設置が出来なくなってしまいます。

 またドライエリアは前述のとおり地下居室の採光と通気を確保し衛生的な居住環境を維持するために設けられたものですので、それを阻害するような使用方法は居住環境上問題があり、また法律違反になります。

 管理組合は普段からドライエリアの使用方法を組合員・居住者に広報することが必要です。それと共に既に設置されたドライエリアの機能を妨げる荷物などの片付け・処分をしてもらうことも必要です。尚、既に大規模修繕修繕工事が始まっているため、全ての片付けが時間的に難しい場合は、壁面の塗装や躯体の補修が出来る範囲のスペースを確保できるだけの片付けをしてもらうことです。