提出された見積書などから大規模修繕工事施工会社をどのように評価して選定すれば良いのでしょうか?(2010年12月号掲載)

大規模修繕工事のため、施工会社へ見積を依頼しましたが、見積書提出の他、見積提出会社へプレゼンテーションを依頼しました。プレゼンテーションの内容や、この結果の評価をどのように行えばよいか教えてください。

ヒアリング時に施工会社が作成する資料の内容は、会社案内・工事経歴・施工管理体制・工事監督者の経歴書・工事工程表(案)・仮設計画書(案)・広報計画・連絡体制・工事の保証・アフターサービス等についてや、施工会社としての特長、居住者の工事中の生活環境等についての改善提案等があります。

居住者が住んでいる中での工事という特殊性から、騒音、日照・通風などの阻害の改善等について積極的に提案することは、評価すべき事項です。一方、自分の家の補修等を行うので、一定の工事の協力も必要です。

瑕疵保証や工事完成保証の保険については、当然、保険金は工事費に含まれており、結局は管理組合が負担することになるので、これらの検討も望まれます。
マンションの大規模修繕工事が行われ始めた25年前頃と比較すると、多くの施工会社がマンションの大規模修繕工事に取り組み、経験を積んできているので、施工会社による大きな差異は見られないようです。

プレゼンテーションで、最も重要な事項で評価の点数を高くする必要があるのは、工事を直接担当する担当者の資質や専門的技量・経験です。

回答者:NPO日住協協力技術者
一級建築士 近藤武志
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2010年12月号掲載)