輪番制の修繕担当理事だが自分たちのマンションに合った長期修繕計画を作るには? (2007年8月号掲載)

Q.

 築8年目・100戸のマンションの修繕担当理事をしています。理事は輪番制で1年毎に替わるので、建物のメンテナンス等作業の必要性の有無、作業内容・発注金額のチェックは素人の集団では困難です。又、現在作られている大規模・小規模の修繕計画は管理会社が作った物で、当マンションに合った内容になっていないと思われます。今後どのようにしたら良いでしょうか?

 

A.

(1)理事になって、過去の経緯や今後行わなければならない管理組合の業務を理解するのに1年位かかるようです。理事の任期を2年とし、毎年半数を入れ替え、管理組合業務の継続性を図る管理組合もあります。

(2)建物のメンテナンスについては長期にわたる継続性が必要です。短期で交替する理事では知識・経験等の蓄積が難しいので、管理組合の下部組織として理事会に建物のメンテナンスに関しての意見具申を行う(修繕)委員会を設け、この委員で長期に渡ってメンテナンスに関する情報の蓄積・検討を行うことをおすすめします。尚、これらの委員会を補佐するホームドクター的なコンサルタントを採用することが必要です。このコンサルタントの役目は、(修繕)委員会に出席し、懸案事項についての意見を述べてもらったり、理事からの電話相談の回答、各種法定点検等結果についての対処方法、小規模で定期的なメンテナンス工事のコンサルティング等が考えられます。

(3)大規模な修繕計画は、築年数が浅い建物では標準的な長期修繕計画で良いと考えられますが、建物の立地条件、経年における修繕歴、建物を構成している各部材の劣化状況等は建物によって異なっています。このため、建物の現状把握を充分に行い、長期修繕計画とそれに伴う修繕積立金が適切であるかの検討が必要です。

 貴マンションに合った大規模等の修繕計画作成に当たっては、コンサルタントに依頼することをおすすめします。

回答者:NPO日住協協力技術者
一級建築士 近藤武志
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2007年8月号掲載)