サービス付き高齢者向け住宅②

 6月号では、「サ高住」の概要をお伝えした。
 おさらいすると、自立から要介護までの60歳以上の高齢者が入居可能な「賃貸住宅」で、各居室は原則25m2以上。「安否確認」と「生活相談」の最低二つがサービスとして提供される。入居一時金は「敷金」(家賃2カ月分が多い)がかかり、毎月の費用は、家賃と共益費、サービス費。「介護サービス」は、外部の介護サービスを受けるため、先に述べた費用とは別にかかる。
 今月は、具体的な「サ高住」の姿を見ていく。まずは「立地」から。

立地は「利便性」が重要

 高齢者向けの施設や住宅は、市街地からやや離れたところに立地しているイメージがある。市街地では、これらの施設の建物用地が確保できないことが主な要因だが、「サ高住」は利便性の良いところが多い。
 (1)「マザアスコート南柏駅前」(以下(1))は、その名の通り、JR常磐線南柏駅前にあり、(2)「コーシャハイム千歳烏山」(以下(2))は京王線千歳烏山駅から徒歩6分のところにある。
 「サ高住」に元気な時に入居すれば、交通機関の近くであれば移動もしやすいし、スーパー等の店舗の近くであれば、買い物も容易だ。また、将来介護が必要な状態になっても、介護施設や医療機関の近くの方が、サービスも受けやすい。
 (1)は、駅前立地のため電車を使えば移動は簡単である。ショッピングセンターが隣接しているため買い物も気軽に行ける。
 また、入居後、介護が必要な状態になっても、建物周辺には「サ高住」と提携している訪問介護施設等があるため、そこから介護サービスを受けることが可能。周辺の医療機関とも提携しているため安心だ。
 (2)も、最寄駅の千歳烏山駅周辺には商業施設がたくさんあるほか、金融機関や役所支所なども近くにあるため、利便性の高い立地となっている。また、建物敷地内に巡回型訪問介護、デイサービス等の事業所があるため、入居後、介護が必要になっても住み続けることが可能。
 提携する医療機関も近くにあり、訪問医療も受けられるなど、医療面のサービスも充実している。  このように、「サ高住」は、元気なうちはもちろん、体が弱ってきても住み続けられるような環境が用意されているかどうかが重要だ。
 しかし、なかには生活を支える施設等がかなり遠い「サ高住」もある。
 長く住み続けるため、建物周辺にどの様な施設があるのか、確認することが重要だ。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2016年8月号掲載)