災害関連死ゼロの社会を目指す㉜ 2023年12月

原則と安全行動①
 災害に遭遇した時に「逃げ遅れない」「災害から命を守る」必要があります。そこで今回は「逃げ遅れ三原則」について述べていきます。

逃げ遅れ三原則
 災害に遭遇した時、冷静に行動することはかなり困難だといえます。そこで災害発生時、人の心理がどのように働くのかについて代表的な3つの心理を紹介します。
 ●正常性バイアス
 自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のことで、危険な状況ではないと思いこむ心理のことをいいます。人間にはなるべく危険を感知したくないという心の動き及びある程度の危険は無視してしまおうという心の枠組みがあります。
 自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となります。
 ●同調バイアス
 周りの人たちの行動に自分の行動を合わせてしまう心理状態のことをいいます。他人と違う行動をとっていると、「自分が思い違いをしているかも」「自分だけ変な行動を取りたくない」と無意識のうちに考えて不安になることがあります。どのように行動してよいか迷ったときに周囲の人と同じ行動を取ることが安全と判断する心理傾向のことを同調バイアスと呼びます。
 災害や事故の発生時や危機的な状況に遭った際に、周囲の人に同調し、危険を回避する行動を取らなければ、避難や初動対応の遅れの原因となることがあります。
 ●愛他(あいた)行動
 自分の命をかえりみず他人の身を守ろうとする心理のことをいいます。災害時には、危険な状況にある人を助けようとする心理が強くなり、この人を助けないと、この人は死んでしまうかもしれないと思うと、自分自身の危険を考えなくなります。
 これらのように災害時に働く心理と行動が解明されているくらいですから、もちろん対策も考えられています。その対策とは”率先避難”というものです。率先避難とは、率先して避難する姿を見せて、周囲の避難行動を促すという取り組みになります。

一般社団法人地域防災支援協会
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一般社団法人日本環境保健機構
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