二重床(フローリング)の遮音性能の話-その4(2012年12月号掲載)

二重床(フローリング)の遮音性能の話-その4-

二重床とは

 前回は⊿(デルタ)等級の説明と、⊿等級表の見方について説明しました。ところで、この⊿等級表は、「二重床」の性能について表したものです。「二重床」とはどのようなものでしょうか。
マンションのフローリングには、主に2つの工法が採用されています。
ひとつが「直張り」で、コンクリートスラブの上に直接接着剤で下地とフローリング材を貼り付けます。

 もうひとつが「二重床」で、簡単に言えば、床下に空間(12~15cm程度)がある床構造を言います。さらに詳しく見ると(図参照)、建物のコンクリートスラブの上に、支持脚や材木などを使い、その上に床下地を載せて、さらにその上をフローリング材で仕上げます。
床下に空間を作ることで、ガス管や水道管などの配管スペースとして利用することが可能で、水漏れなどが発生したときにメンテナンスが行いやすいという特長があります。また、配管の位置を変えやすいため、リフォームで間取の変更を行いやすいことも特長です。
関東圏のマンションの床構造は「二重床」が多く、関西圏のマンションは「直張り」が多いとされています。

 自宅が「二重床」かどうかの見極め方は、水回りと他の部屋の床の高さが一緒なら、「二重床」と考えていいでしょう。

 さて、この「二重床」ですが、床面とコンクリートスラブとの間に空間があるため、コンクリートスラブに直接衝撃が伝わらず、遮音性に優れた工法とされています。

 しかし、「重量床衝撃音」は音を大きくしてしまう場合があります。

 床の遮音性能を見るとき、スプーンなどの軽いものを落としたときの高い音「軽量床衝撃音」と、子どもの飛び跳ね音など低くて鈍い音「重量床衝撃音」の2つがあります。

 「軽量衝撃音」は床の表面を柔らかい床材で仕上げれば遮ることが可能ですが、「重量床衝撃音」は、床材よりもスラブの厚さに遮音性能が左右されるため、床材だけで遮るのは難しいのです。

 重いものを落とせば、その衝撃が建物を振動させ、それが音となって伝わります。スラブが厚いほど振動が小さくなるため、「重量床衝撃音」はスラブの厚さに左右されるのです。

 「二重床」の場合、床に加えられた「重量衝撃音」は、床を支える支持脚を通してスラブに伝わります。このとき、床とスラブがちょうど太鼓のたたく面と反対側の面と同じ関係になり、音が共振して反対側の面の音が大きくなり、下階に音が伝わってしまうのです。

 「太鼓」も叩いた側より、反対側の方が共振により音が大きくなります。これを「太鼓現象」といいます。

 マンションの騒音問題で、一番多いのがこの「重量床衝撃音」です。そのため、「二重床」のマンションで騒音対策のためにリフォームを行うときには、⊿等級で言うと、⊿LH等級の高いもので、なおかつ、低減量数値にマイナス(マイナスの付いているものは音を大きくする)の付いていない床材を選ぶことが大切なのです。(つづく)

(竹村工業株式会社ジャストフロア事業部 竹村 仁) (2012年12月号掲載)