「新たなステージに対応した防災・減災のあり方」を公表/国土交通省

 国土交通省は、「新たなステージに対応した防災・減災のあり方」を取りまとめ公表した。
 昨年、広島県で発生した土砂災害に見られるように、近年「これまで経験したことのない」降雨が観測されることが相次ぎ、雨の降り方が変化していることや、概ね100年に一度は大規模噴火が起こっている中、1914年以来大規模噴火が起こらず、今後大規模噴火がいつ起こってもおかしくない状況にあるなど、このような状況を「新たなステージ」と捉え、防災・減災対策に取り組んでいく必要性から、本報告の作成に至った。
 具体的に、「新たなステージ」に対応するためには、「想定外」の事態をなくすべく、地震・津波対策と同様、洪水対策等においても最大クラスの外力(大雨等)を想定して、対策を進めることが必要とされている。
 しかし、そのような外力に対して施設で守りきることは、現実的でないことから、国民生活の安定を図るため、「比較的発生頻度の高い降雨等」に対しては、施設によって防御することを基本とし、それを超えるような降雨等に対しては、施設では守りきれないことを認識して取り組む。
 また、住民、企業をはじめとする社会の各主体が、最大クラスの外力に対しては「施設では守りきれない」との危機感を共有し、それぞれが備え、また協働して災害に立ち向かう社会を構築していくことが重要とされ、その際には、ある程度の被害が発生しても、「少なくとも命を守り、社会経済に対して壊滅的な被害が発生しない」ことを目標としている。
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000855.html