コロナで延期していた息子の結婚式を開きます 2022-9

花婿の母の私は和装での出席を決めた
でも着る機会の無かった留袖に染みが…

 秋も深まり、十月を迎えました。この月は私たちにとっては深刻な月です。誕生日月だからです。今月末には一つ歳を重ねます。そうすると、とうとう定年まで残すところ一年となります。収入面を考えるとまだまだ正社員で働き続けたいところです。息子達と変わらない歳のスタッフと日々、同じ仕事をこなしているのだけどな、まだ頑張れるんだけどなと思うと寂しくなってしまいます。
 それでも、今年の十月は特別です。長男夫婦が、コロナで延期になっていた結婚式をする事になりました。明るい話題です。その日を目指していろいろ準備をする必要があります。花婿の母なので、和装で出席すると決めたのですが、思えば自分の結婚式以来、浴衣以外の和装を着た経験がありません。結婚前に、実家の母に留袖と訪問着を用意してもらい和箪笥も持っていたのですが、子供が二人産まれ、マンションが狭く感じる様になってしまったので、和装と和箪笥は、実家へ出戻りました。その後は、姉が茶道を嗜んでおり和装を著る機会が多かったので、管理は任せました。
 そこで今回、私の留袖はどうなっているのか姉に問い合せたところ、着る機会は無く長い期間、恥ずかしいのですが手入れされてなかったので、染みが浮いてしまっていて専門家に頼むと時間もお金も必要なようです。亡き母が選んで持たせてくれたので着たかったのですが、仕方がありません。式場で貸衣裳を利用する事にしました。
 そんな訳で、先日、式場となるホテルに衣装合わせをしに行きました。若い男女が順番待ちをする中、私一人で待つのは何だか不思議な気持ちでした。四十年近く前に自分が結婚した時の事を思い出しました。お金が無かったから、バーガーショップの百円コーヒー飲みながら主人と時には険悪になりながら、いろいろ相談した事を思い出しました。今はただ、素晴しい式になる事を祈ります。
集合住宅管理新聞「アメニティ」2022年481号掲載)