高圧一括受電契約の最高裁判決で考える(441号/2019年6月)

 最高裁で判決が覆るのは珍しい★それがまたあった。前回は理事会で選出した理事長(=管理者)を総会ではなく理事会で解任できるとした件。昨年3月の当欄でも取り上げた★今度は電気一括購入の総会決議によってこれまでの電気契約の解除を義務付けるのは無効との判断だ★両判決とも世間の常識に沿っているように思われるが、それでは最高裁はマンション管理に理解が深いかというと残念ながら疑問である★各級の裁判所とも全般的にマンション管理の実情を反映してもらえない判決がかなり見られる★裁判官といえども全能ではないから裁判では専門家の鑑定書が活用されるケースも多い。分野によっては専門家が裁判実務にもっと深く関与する部分もある★今回の判決は専有部分内部の生活のあり方に管理組合がどの程度関与できるかを改めて問うているともいえよう。
集合住宅管理新聞「アメニティ」441号(2019年6月)掲載