復興支援・住宅エコポイントを利用 外断熱工法、窓ガラス更新による省エネ改修:2014年4月号掲載

 T団地管理組合(横浜市旭区東希望ヶ丘198、RC4階建5棟90戸、1987年竣工)は、平成24年3月から12月の工期で第2回大規模外装改修工事を実施した。施工=リノ・ハピア株式会社(旧渡辺物産(株))。

 主な工事範囲及び内容は、外壁(外断熱工法による改修)、屋根(外断熱工法による改修)、窓ガラスを複層ガラスに更新、窓枠サッシをアルミサッシに更新、バルコニー床防水(ウレタン塗膜防水)、そのほか玄関ドアのシート貼り、インターホンの交換、室名札の更新など、グレードアップ工事も同時施工した。専有部分のオプション工事としては、玄関気密ゴム交換、玄関ドアシリンダー錠の交換、給湯器の交換などのキャンペーンも行った。

 また、グレードアップ工事は復興支援・住宅エコポイントを利用して実施。他に住宅の省エネ改修に伴う補助金制度(住宅省エネ特定改修工事特別控除制度及び住宅省エネ促進税制)を積極的に利用したのも今回工事の特徴の一つとなった。

T団地

遮断塗料を塗布した屋上

外断熱工法による省エネ改修

 外壁の壁面には難燃性断熱材(発泡スチロール)厚さ40mmのウッドブリースフォーム(湿式外断熱工法)を採用した。仕上げにコテ塗りの左官仕上げを施したことで、機能的にも美観的にも高級感あふれる仕上げとなった。

 屋上の構造熱橋となるパラペット廻りは、立上り部を断熱材で覆い、天端と立上り部を一体のアスファルト防水層とし、トップコートとして屋上全体に遮断塗料を塗布。

 管理組合では、工事着手までに約3年をかけて外断熱工法による改修を計画し、修繕委員会が中心となって断熱の効果や必要性、工事の概要や問題点などを繰り返し検討して、居住者に理解をしてもらっていたので工事期間中は特に問題もなくスムーズに工事を進めることが出来た。工事完成後、各戸でより良い断熱効果を得てもらうため、日常の過ごし方や注意事項をまとめた冊子を修繕委員会と施工会社とで作成して居住者に配布啓発した。

 工事中は、不審者と区別するため施工会社の作業員は社名入りのベスト着用、窓サッシの簡易補助錠の無料貸し出しなど、防犯にも努めた。また、工事にあたっては網戸の一時撤去が必要なため網戸を入れる袋や室内で洗濯物を干すことが増えるので部屋干し用の洗剤を無料配布するなど、居住者のストレスの軽減にも気を配った。

外階段もグレードアップ

リフォーム賞を受賞

 今回工事の外断熱工法による省エネ改修は、一般社団法人マンション計画修繕施工協会の「第3回マンション・クリエイティブリフォーム賞」の入賞対象物件として平成25年に表彰を受けた。湿式外断熱工法を採用し、省エネ性能の向上に寄与した環境対応型改修のモデルケースとして選ばれた。また、補助金制度も積極的に利用し、省エネの住まい方に関する「冊子」を作成するなどのソフト面での対応も評価のポイントとなった。

窓は複層ガラスに更新

「施工=リノ・ハピア株式会社(旧渡辺物産㈱)」

(2014年4月号掲載)