浴室・洗面系排水管をDREAM工法で更生工事:2002年1月号掲載

K住宅
(神奈川県・横浜市)

神奈川県横浜市のK住宅は、このたび雑排水管の改修工事を行った。大規模団地の雑排水管改修工事においては、新管に取り替える工事が多かったが、最近では更生工事が増えてきている。そこで更生工事の事例として、片倉台住宅の改修工事の様子を、施工者であるトーセツ株式会社に伝えてもらった。

K住宅(横浜市神奈川区、昭和44年都市公団分譲、RC5階建総戸数600戸)の給・排水管改修工事にあたっては、雑排水管の改修工事を当社のDREAM工法(更生工事)にて施工させていただきました。

主な工事範囲としましては、同住宅3DKタイプ(13棟380戸)の浴室横枝管および浴室・洗面系立主管、3LDKタイプ(9棟220戸)の浴室・洗面系横枝管および台所・浴室・洗面系立主管で、更生工事(DREAM工法)にて実施いたしました。まず、管内面の汚れ具合等をよく調査し、次に管内面の汚れを徹底的に取り除くためのクリーニング(上階からセラミックサンドを管内に注入し、床下から吸引する)を行い、「ビニルエステル樹脂」によるライニング(上階から樹脂を注入し、床下から吸引する方法で管壁に樹脂塗膜を形成する)工事が主な工程でした。

雑排水管の改修は今後「更生工事」が主流に

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立主管上部を切断するため、最上階戸内便所の横壁を開口中

マンションの雑排水管の更生工事は、これまで未だあまり実績が多くありませんでしたが、近年の技術革新はめざましく、最近では大規模団地での施工が可能になりました。 今後のマンションやビルでの雑排水管改修工事は、新管取り替え(更新工事)に比し、工期が短く、工事費が安い等の利点が多いことから、更生工事が主流になるものと思われます。

DREAM工法は ’99 年に「審査証明」を取得

Koji12_1 DREAM工法は、排水管の汚れ具合や残存耐久年数に応じた最適な改修工事を提案するため、超音波肉厚測定やX線透過試験、内視鏡による管内撮影など最新の非破壊検査で徹底的に診断・調査

  1. 管内の汚れを徹底的に取り除くため4枚羽のスクリューが数珠つなぎになった独自の「パイプインジェクター」を用いて、セラミックサンドによる管内クリーニング(80mmφ以上)、
  2. 給水管に比べて、油、熱湯など排水管の過酷な条件下でも耐えられる塗料として「ビニルエステル樹脂」を開発し、上階から注入し下階から吸引する方法により、管内面をきれいに樹脂塗装(ライニング)する、
  3. 工事は、5階建住宅の場合、立主管1系統の実工事は約1日

などの多くの特徴があります。

’99 年度には、(財)建築保全センターから建築物の保全技術として「技術審査証明」を業界初取得しております。

「雑排水管・DREAM工法普及協会」を設立

工法の全国的な普及促進を図るため、本年10月に「雑排水管・DREAM工法普及協会」を、東京ガス(株)、トーセツ(株)、(株)ハッコー、(株)日成の4社共同で設立し、各紙誌に紹介されました。

今後は、各地から趣旨賛同の施工会社を募り、DREAM工法の全国展開をめざしております。

トーセツ株式会社のホームページ
http://www.tg-tosetz.co.jp/

<アメニティ新聞232号 2002年1月掲載>