ベランダ手摺をアルミに交換など設備改善に注力

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高洲三丁目住宅

(千葉県・千葉市)

外壁等大規模修繕工事中の高洲三丁目住宅において、6月8日、NPO日住協千葉県支部主催による工事見学会が開催されました。近隣の団地等7管理組合15名が参加。遠くは多摩ニュータウンからの参加もあり、活況でした。

Koji27_3 工事を見学する参加者

主催者側を代表してNPO日住協千葉県支部前田支部長から開会の挨拶、高洲三丁目住宅管理組合を代表して福島理事長からの挨拶があり、引き続き、同組合建築専門委員会大石氏から団地概要と工事準備活動等の説明、設計・監理者から今回工事の概要と特徴についての解説の後、施工中の現場を見学しました。当日は晴天に恵まれ、現場での質疑応答も活発でした。

施工事例報告をご紹介します。

建築専門委員会を組織して工事の準備活動

同住宅の大規模修繕工事関連の経緯としては、昭和59年に第1回外壁等改修工事、平成3年~4年に第2回外壁等改修工事(雨漏れ等があった為前倒しで実施)、同9年に給水管更生工事。同年11月「第2次長期修繕計画」の計画案作成のために建築専門委員会が発足し、築後25年(平成11年)~築後44年(平成30年)の20年間の長期修繕計画を策定した。

平成13年7月に第3回大規模修繕計画内容を検討する「建築専門委員会」を新たに組織して準備活動に入り、今回工事の着工となった。同委員会での会議は30数回にも及び、ときには深夜まで討議が続いた。

修繕内容に関しては、組合員の意見を最大限生かすために、コンサルタント契約を結んだ協和建築設計事務所に依頼して建物の劣化調査診断並びに住民アンケートを実施した。また、住民説明会を3回開催して、組合員からの意見や要望を今回工事の内容に取り入れ、総会で承認された工事にベランダ手摺りの交換工事を新たに追加したりした。工事費用は修繕積立金の範囲以内で賄うことが出来た。

施工会社の選定にあたっては、建設関連紙に施工業者募集広告を掲載して、約30社の応募業者の中から16社に見積を依頼し、その内6社にヒアリングをして選考した。

設備の改善に注力

主な工事内容としては、

  1. 外壁等改修工事(外壁面=低汚染型アクリルシリコン樹脂塗料2回塗り、タイル面=タイル目地保護のため低汚染型アクリルシリコン樹脂クリヤー2回塗り)
  2. 防水工事(バルコニー床=下地補修を行いウレタン塗膜防水の更新、屋根=既存平場シート防水は撤去せず新規シート防水を絶縁工法で改修、既存立ち上がりシート防水は撤去し新規シート防水を密着工法で改修)
  3. 鉄部塗装工事
  4. 改善工事(集合郵便受け箱をステンレスA4サイズに交換、掲示板更新、共用灯更新、ダストシュート撤去改修、バルコニー手摺をアルミ製に更新、目隠し板をアルミ樹脂化粧パネルに更新、階段玄関口の段差をなくしてスロープ化、屋根マンホール蓋をステンレス製に更新等)

など。

工期は平成15年3月~8月、設計・監理は(株)協和建築設計事務所、施工は柏原・ヤマギシ共同企業体(柏原塗研工業(株)とヤマギシリフォーム工業(株)によるJV)。

今回工事の主な特徴としては、ベランダ手摺を鉄からアルミ製に交換(鉄製手摺の塗り替えは足場の設置に金がかかる、手摺の取り付け根部分に錆が進行等により)、階段玄関口のバリアーフリー対策、設計・監理方式の採用、共同企業体方式による施工、2工区に分けての工事など。

Koji27_2 アルミの手摺に交換

工事は8月中に完了予定だが、新規交換されたアルミの手摺が太陽の光に輝いて眩しかった。

〔高洲三丁目住宅の概要〕
千葉市美浜区高洲3-4-20
昭和49年都市公団分譲
PC5階建19棟
総戸数620戸、3DK540戸、5DK80戸(平成4年に2棟増築)
自主管理
〔設計・監理者のコメント〕 

高洲三丁目住宅は1970年5月に入居開始、入居時はJR総武線稲毛駅よりバス10分と典型的な郊外型団地でありましたが、現在はJR京葉線が開通して稲毛海岸駅から徒歩数分と大変便利な住宅団地になりました。

建物はPC造5階建19棟、総戸数620戸。周辺には駅前の総合商業施設、市会館、消防署、図書館、保健センター、コミュニティセンター、小中学校などの公共施設が囲っており、非常に恵まれた環境に位置しています。経年33年目で大規模修繕工事は既に2回実施しており、今回は3回目です。

また、この地域は名前のごとく東京湾沿いに建設されており、塩害による鉄部腐食が多く見られ、コンクリート中性化試験、既存付着試験、既存コンクリート強度試験、シーリング物性試験など数多く試験を実施し、その結果、階段室の内壁付着強度が弱いため、超音波により塗装材を全面剥離して再塗装を実施しました。バルコニー手摺も過去において根元を主に補強、修繕を行ってきましたが、腐食により鉄部の厚みも減少しており、危険対策と美観向上を図るためステンレス色のアルミ手摺りに全面改修しました。

その他、主な改修改善工事として、屋根断熱防水(15年保証)、バルコニー床防水、既存シーリング撤去打ち替え、大型の集合郵便箱の更新、サイズアップの掲示板の更新、ステンレス共用灯・自動点滅器・スイッチの更新、既存のダストシュートの撤去、アルミ自在型物干し金物の更新工事等を実施しました。

次回は、当建物が駅に近く、公共施設、商業施設に接している場所なので、建替えの将来計画を管理組合で模索しているようです。

(株式会社 協和建築設計事務所・村田達夫)

<アメニティ新聞251号 2003年8月掲載>