二重床(フローリング)の遮音性能の話-その6

二重床(フローリング)の遮音性能の話-その6-

二重床を選ぶ基準について

 昨年8月の連載開始からすでに6回目となりましたが、私の連載はこれが最後です。
 これまでの連載から、推定L値の問題点はおわかりいただけたかと思います。推定L値を基準に使い続ける限り、騒音トラブルがなくなることは無いでしょう。
 次にマンション管理組合が気にされるのは、「今ある基準をどうしたらいいのか?」ということになると思います。
 まず最初に覚えておいて頂きたいことは、例えば、推定LL―40=⊿(デルタ)LL―5と言う様な決まりは無いと言うとこです。
 推定L値は本連載の「その2」でご説明した通り、多くの問題点を抱え、不正をして高い性能値をとったメーカーの製品が混在します。それを単純に⊿等級とイコールで結んでしまうと、不正なデータがそのまま⊿等級でも使用される事になり、⊿等級自体、意味を成さなくなる恐れがあります。そのため、推定L値と⊿等級は、まったく別のものとして見る必要があるのです。
 では基準をどう改正すれば良いのでしょうか?
 まず軽量床衝撃音は、⊿LL―3がランク的に普通とされています。普通とは、特に良くも悪くもないレベルと思って下さい。ちなみに、推定LL―40のものを⊿等級のルールで試験し直すと、⊿LL―3~2です。
 床遮音性能の高さを求めるならば、⊿LL―4以上にすると良いでしょう。加えて、⊿LL―2以下だと性能的に残念なランクになります。
 次に重量床衝撃音ですが、本連載の「その3、4」で説明した、低減量(音をどれだけ遮音したかを表す数値)が重要で、この低減量数値にマイナス数値があると音を大きくする事を意味します。

 注意しなければならないのが、たとえ重量床衝撃音の性能ランクが最高の⊿LH―4でも、低減量のマイナスが認められている事です。
 そのため、私は重量床衝撃音の基準は⊿等級のランクで決めず、「低減量数値にマイナスが含まれないもの」とする方が良いと思います。
 特にマンションの音で問題になるのは、子供が走るなどの重量床衝撃音のため、マイナス数値を認める基準は、居住者の方にとっても不安要素となるでしょう。
 おそらく、入居者の方の年齢層や家族構成などにより、必要とされる性能が異なるので、以上の事を参考に基準を設定されると良いと思います。
 最後に、今まで連載させていただいた内容は、私の過去の経験・実績を元にしてきました。皆様のお役に立てればと思い続けてきましたが、私もメーカーサイドの人間です。全てを信じず、まず疑う事をお勧めします。コスト最優先で音問題に対し、いい加減な対応をする業種の中にメーカーがあるからです。
 一番重要なのは、みなさんが正しい知識を身につけ、厳しい目で業者や物を選ばれる事だと思います。
 まだ話切れていない事もありますが、ご不明な点がございましたら、左記の問い合わせ先にお気軽にご連絡いただけたらと思います。
長い間、お付き合い頂き、有難うございました。
(竹村工業株式会社 ジャストフロア事業部 竹村 仁)

(2013年2月号掲載)

 

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