二重床(フローリング)の遮音性能の話-その3

二重床(フローリング)の遮音性能の話-その3-

⊿(デルタ)等級とは

前回は二重床の遮音性能を示す「推定L値」の問題点を説明し、変わりに適用された「⊿(デルタ)等級」で問題が解決できるようになったとお伝えしました。
では、「⊿等級」ならなぜ問題を解決できるのでしょうか。
⊿(デルタ)とは、2つの数値の差を意味し、⊿等級は、床材の性能試験で、床に衝撃を与えた時に下階で得られた音を、建物の床に何もない状態と、床に床材を置いた状態で測定し、その差(床材がどれだけ音を遮ったか)を表しています。
床材の性能試験は、「音」と「たわみ」の試験を行います。「音」は床材の音を遮る性能を、「たわみ」は床材の重さに対する性能を見るもので、試験体に床材を載せて行います。

一般に柔らかいものほど音を抑えますが、柔らか過ぎると床材としては不適切です。そのため、固い床材を選びたいところですが、固いものは逆に音を伝えやすいのです。
そこで、「推定L値」では、音の試験では試験体に柔らかいゴムを使い、たわみ試験では固いゴムを使うというように、試験体を別々に組むことで、床材メーカーにとって都合の良い試験を行うことがありました。
一方、「⊿等級」は、音の試験もたわみの試験も同じ試験体を使います。
また、試験体の部材の材質や床の高さなど新たに基準が決められ、実際に床材が使われる現場に近い状態で試験体を組んで試験を行います。
そのため「⊿等級」表示の製品であれば品質のバラツキがなくなり、また実際にリフォームで床材を使用したとき、より数字に近い性能が得られるようになりました。

「⊿等級」の見方

では「⊿等級」で、性能を判断するにはどうしたら良いのでしょうか。
「⊿等級表記」には、スプーンなど軽いものを落としたときの音の低減量を示す「⊿LL等級」と、子どもが飛び跳ねたときなど、重いものを落としたときの低減量を示す「⊿LH等級」の2つがあります。
「⊿LL等級」は1~5の5等級、「⊿LH等級」は1~4の4等級で、数字が大きいほど性能が高いのです。
参考までに「⊿LL‐3」及び「⊿LH‐2」以上であれば、従来の推定LL40、推定LH50と同等の性能があるとされています。
数値が大きいものを選べばいいのですが、表記の中にマイナスがあるものは注意が必要です。マイナスが付いたものは、音を逆に大きくしてしまうのです。
表1は「財団法人日本建築総合試験所」の等級表記指針です。これは、床材が抑えなければならない音の下限値を表していますが、「⊿LH」の表記を見ると、最高ランクの「⊿LH‐4」でも125Hz以上はすべてマイナスが付いています。
つまり、下限値さえ満たせば、最高ランクの等級を得られるのです。
現在、業界ではこの点を問題として下限値の見直しを進めていますが、今、市場に出ている製品の中には、音を大きくしてしまうものも最高ランクで流通しています。
そのため床材を選ぶときには、「⊿等級」のランクだけで製品を選ばず、カタログの数値も確認し、マイナスが付いていないものを選ぶようにしましょう。

なお、11月14日(水)~16日(金)まで、東京ビッグサイト東ホールで開催される「ジャパンホームショー2012」に弊社は出展します。
床材の等級違いによる音の聴こえ方の違いなどを実際に体験していただけますので、どうぞご来場ください。(つづく)
(竹村工業株式会社ジャストフロア事業部 竹村仁)
(2012年11月号掲載)