6 改修設計

 建物診断の結果から改修の必要性が認められた場合には、建物所有者、管理者は改修の基本計画を立てる事となります。改修に至るまでの建物使用状況、その間の各種情報等を盛り込んで改修目標を定め、目標の達成と原因の解消が目的となります。改修の場合新築と違って色々な制約条件があります。建物所有者、管理者は適切な設計者を選定し、改修設計を委託することが肝要だと考えられます。

1 基本計画

 基本計画では、改修の目的、範囲、耐用年数、資金計画、時期、工期等検討します。

○ 改修目的
 1.劣化の回復・・・・当面の劣化状況を回復する(ひび割れ、仕上げ材改修等)
 2.機能性能の向上・・現状の性能より良くする(断熱性能、インターネット対応、等)
 3.初期性能への復元・新築時の性能まで復元する

○ 改修範囲(改修目的により範囲は変わります)

 1.外壁関係(塗装、シール含む)
 2.屋根・防水
 3.設備配管・機器

○ 耐用年数(改修目的により年数は変わります)

 長期修繕計画に係わります。
 1.使用材料による違い(吹付けタイルとタイル・モルタルと塩ビシート・アルミと鉄等)
 2.仕様による違い(露出防水と保護防水・ウレタン防水の仕様・吹付けタイルの仕様等)
 3.耐震補強
 4.設備機器等の更新

○ 資金計画

 1.改修工事費用概算
 2.修繕積立金(積み立て額、一時金の徴収の可能性)
 3.改修資金融資(公庫、銀行)

○ 工事時期・工期

 1.修繕積立金の額により工事時期を遅らせたり、部分工事とする可能性の検討
 2.防水工事等ある場合、梅雨前に終わらせるのは工程管理上良い方法です
 3.生活しながらの工事となる為、工期や各工程毎の工事内容は周知する

2 改修設計

 改修基本計画に基づき改修範囲や仕様を決めて、設計図書を作成し、数量積算をする事により、施工品質の確保が可能になります。勿論監理者による監理も必要です。

○ 改修設計図書

 1.特記仕様書
 2.仕上げ表
 3.平面図・立面図・詳細図・劣化損傷図・その他関係図面
 4.建築改修工事共通仕様書(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修)

○ 数量積算

 1.過去の修繕工事の見積書数量を利用可(無い場合もあります)
 2.改修設計図書から数量積算を行う

○ 工事契約

 1.相見積り業者の選定(公募もあります)
 2.相見積り(改修設計図書及び数量積算の金額を抜いたものにより見積りする)
 3.質疑応答(内容の不明な点についての質疑応答)
 4.見積書の精査
 5.業者の決定(条件等再確認)
 6.工事契約

3 改修設計監理

 改修設計図書の通りに施工されるように監理するもので、発注者と施工者のあいだに立って設計変更等の調整も行います。必ず監理契約をする事をお勧めします。

4 長期修繕計画

 改修工事完了後、引渡し書類の中の保証書等を考慮して、長期修繕計画の改定を行います。

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