管理費等滞納問題を再考する②組合員の意識と管理組合運営の理念が大切

組合員の意識と管理組合運営の理念が大切

国土交通省による平成15年度マンション総合調査(註1)によると、管理費等の滞納は管理組合全体の32%にあるという。3ヶ月以上の滞納率は32.1%ということである(註2)。この数値は深刻であるといわざるを得ないだろう。各管理組合では解決に向けてどんな努力をしているのだろうか。一般的には督促を繰り返すということではないだろうか。時間がかかっても、それで解決できればよい。しかし、そのまま長期にわたる場合が管理組合にとって難問なのである。滞納対策に万全な方法があるとは到底考えられない。
まず基本的には管理組合がマンション管理を行なうに必要な管理費等の負担ができない滞納組合員と向き合うには、管理費等会計の納入状況を毎月チェックし、理事長、会計理事の確認事項にとどめるのではなく、理事会全体が共通認識しているという管理組合の管理体制が確立していることが肝要であると思う。毎月、定例理事会が開催され、管理費等会計の報告、未納金の現在高を会計理事から報告を受け、理事全員が知ること、この基本が実現できているかどうか。
管理組合における理事会の運営がきちんと展開されているかどうかはマンション規模に関係なく、重要な要素であることは言うまでもない。実際問題として、滞納問題が長期化し、解決が困難になっていくかどうかは、組合員の意識と管理組合運営の理念に大きくかかっていると考えられる。
ここから滞納問題の様態が大別できると同時に、解決への手がかりも垣間見える。

組合員の意識と解決の展望

組合員が管理費等の滞納にいたる要因はさまざまであろう。個別に滞納にいたるさまざまな経済的理由等々については別途課題として対応のあり方を検討するので、本稿ではその理由をあえて問わないこととし、組合員の意識を重要視して進めることとする。
第1.管理費等の納入義務を区分所有者として自覚している組合員の場合、滞納問題は滞納にいたった理由が何であれ、長期化しても比較的解決が容易にすすむ。すなわち、現在支払能力がなく滞納していても、滞納せざるを得ない経済的その他の理由が解決すれば、自ら納入するだろう。管理組合としてはそういう意識が明白な組合員に対しては、滞納管理費の分割等々の支払い条件を提案するなど、側面から理解を示し、信頼していくこと。全面解決に至るよう生活相談にも応じる細やかさが大切である。理事長の任期を超える場合には次期理事長に詳細な引継ぎが大事である。
第2.区分所有者として、管理費等の納入義務の重要性をまったく認識していない組 合員の場合には滞納問題の解決は難航しがちである。まず最初の催告・督促の段階で、早期に解決しようと臨む管理組合に対し、無視・軽視し、滞納解決への糸口を摘み取る態度を示すのである。管理者として理事長はどのように啓発し、解決の方法を開拓できるか。これが課題。

(註1)マンション総合調査とは、国土交通省がマンション管理に関する施策の結果を検証し、必要な施策を提示するために必要な基礎的データを収集することを目的に、5年に1度の周期で実施している。今回の実施年では、財団法人マンション管理センターが国土交通省の委託を受けて、無作為抽出による全国の2500の管理組合(12 ,500人の区分所有者)を対象としている。(マンション管理センター通信2003.9 No.213 参照)
(註2)マンション管理新聞 2005.6.15 No.695

(2005.09)

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