操作は意外に簡単 宅配ボックス設置で社会貢献:2018年10月掲載

 「宅配便再配達率は15・0%」。これは今年6月に国交省が発表した数字である。近年、電話やインターネット等を通じて買い物する人が増え、同時に宅配便利用者も増えている。その一方で、荷物の再配達も増えており、これが二酸化炭素の排出量増加や、宅配便ドライバーの就業環境の悪化に拍車をかけている。そこで注目を集めているのが「宅配ボックス」だ。

いつでも受け取り可能な宅配ボックス

「宅配ボックス」は配達先世帯の不在や、在宅中でも、諸事情により荷物の受け取りができなかったときに、宅配業者がボックス内に荷物を入れ、施錠。居住者は、ボックスを解錠し、荷物を受け取る。宅配ボックスがあることで、居住者は時間を気にせず荷物を受け取れ、宅配業者は再配達の心配が無くなる。

 この「宅配ボックス」、新築マンションには標準装備されることが多く、賃貸住宅でも、その有無が入居率を左右するため導入が進んでいるという。しかし、戸建て住宅や築年数の古い集合住宅での導入は進んでいない。

「機械式」と「コンピューター式」

 「宅配ボックス」には、「機械式」と「コンピューター式」の二つがある。
それぞれの特徴は別表を参照。

 二つの大きな違いは、荷物の受け取り方。「機械式」は宅配業者が解錠番号を設定するのに対し、「コンピューター式」は居住者が解錠番号を設定する。そのため、宅配業者が間違った番号を不在票に書いた、あるいは文字が読み取れない等の理由で、荷物が受け取れないということは起こらない。

 「機械式」の場合、このような時は、マスターキーで開けられるが、マスターキーの管理を誰が行うかを考える必要もある。

 次に導入費用だが、「機械式」は構造がシンプルなため、本体価格は「コンピューター式」より3割以上割安である(例・機械式67万円、コンピューター式98万円 20~30世帯用同社商品で比較:資料提供㈱ナスタ)。工事も電気工事を伴わないため割安となる。管理費も「機械式」は不要。「コンピューター式」は、毎月の電気代やシステムの保守費用も掛かる。
 このようにそれぞれ一長一短がある。

設置目安は世帯数の3割

 では宅配ボックスはどの程度設置すれば良いのか。全世帯分設置できれば理想的だが、設置スペースにも限りがあり、またそれでは導入費用も多額になる。そこで、設置の目安は世帯数の3割程度を各メーカーではお勧めしているようだ。

写真㊧改装前、写真㊨改装後(郵便受の下に宅配ボックスを設置)写真提供:㈱ナスタ

業者が設置する例も

 ここまでは、管理組合が宅配ボックスを設置する場合を想定しているが、業者が宅配ボックスを設置するケースもある。

 これは「PUDOステーション」(運営:Packcity Japan㈱)と呼ばれるもの。設置は運営会社が行い、メンテナンスも運営会社が行うため、管理組合は、場所を提供するだけで、その他のコストはかからない。

 ただし、この宅配ボックスは、マンション居住者専用ではなく、誰でも利用できることが前提となる。

 仕組みは、不在票を受け取ったシステム利用者が、荷物を受け取るために最寄りの「PUDOステーション」を指定。宅配業者がそこに荷物を入れて受け取るため、利用者は最寄りの宅配ボックスがマンション敷地内にあれば、そこを指定することとなる。

(2018年10月号掲載)