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長期修繕計画上、共用部分リフォーム融資の利用のメリット(2018年2月号掲載)


 築後28年経つマンションで、今年度長期修繕計画を見直し、今後の修繕積立金を試算してみました。
 長期修繕計画の計画期間は2018年〜2042年までの25年間で、2030年に3回目の大規模修繕を計画しています。2042年までに長期修繕計画の計画期間の25年間に必要な修繕費を賄う増額だと現行の1・3倍で済みますが、2030年の大規模修繕の修繕費を賄える程度の修繕積立金を増額すると現在の積立金の1・8倍になってしまいます。この増額を避けるには、大規模修繕の実施を先送りするか一時金を集めるかが必要になります。この様なケースは一般的にどのように対処しているのでしょうか?



 国土交通省監修「長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」では、修繕積立金の額は、計画期間の修繕費の累計額を計画期間(月)で除し、各住戸の負担割合を乗じて算出すると有ります。
 よって、お問い合わせの長期修繕計画計画期間の25年間に必要な修繕費を賄う額を積立金とする考えで良いのですが、途中の大規模修繕工事予定年度で積立金が足りなくなる場合は、同ガイドラインでは「@下回らないように修繕積立金を増額する」「A予定年度に一時金を負担する」「B予定年度に金融機関から借入を行う」の対応手法をコメントしています。この中で、@の方法では増額金額が高額になり合意形成が難しく、Aは一時金を全住戸負担する事を担保す事の問題があります。Bの金融機関から借入は、借金を嫌う組合員も多いのですが、上手に利用すれば、積立金の増額は「計画期間の修繕費の累計額を計画期間(月)で除して算出した額」に借入金の利息と保証料・手数料を加算した額程度の増額で済み、組合員も決めた積立金を払っていれば、借入金を自動的に返済する事となり、あまり借金の負担感は感じられないと思います。
  金融機関借入としては、一般的に住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」が手頃です。管理規約又は総会決議で資金の借入や積立金増額後の額等々が定められ、修繕積立金の使途の制限・修繕積立金滞納割合が10%以内などの制限をクリアしていれば、修繕工事費の80%以内又は戸当たり150万円以内まで借りられ、返済期間は1〜10年まで選択でき本年適用金利が0・58%です。
 尚、長期修繕計画の計画期間後、早々に次の大規模修繕工事が控えている場合はその分も考慮して増額の検討が必要です。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 山田 俊二
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2018年2月号掲載)