災害関連死ゼロの社会を目指す(8)

水害

 

台風15号や台風19号の爪痕が残る中、台風21号が発生し広い範囲で川の氾濫や堤防の決壊が相次ぎ、浸水被害が出ています。その影響により各地で避難勧告や避難指示が出ました。異常気象による大雨は今後も各地で起きることが予想されますが、地震による影響よりも軽視されその対策は遅れてきたともいえます。ここではその水害について説明を加えていきます。

 

 

「外水氾濫」と「内水氾濫」

 

一般的に水害は「外水氾濫」と「内水氾濫」の2種類に分けられます。「外水氾濫」は河川の上流で降った雨により水位が上がり、河川の堤防から水が溢れたり、決壊し家屋や田畑などを浸水することをいいます。一方、「内水氾濫」は側溝や下水道などだけでは降った雨の処理能力を上回り、排水しきれずに建物や道路などに水がつかってしまうことをいいます。そのため川沿いでない市街地でも浸水のリスクに備える必要があります。

 

マンションの浸水リスク

 

通常マンション住まいであれば被害は少ないと思われるかもしれませんが、今回の大雨の影響ではタワーマンションをはじめ、多くのマンションに浸水や停電の被害をもたらしました。そこでマンションの浸水リスクや停電リスクを考える必要があります。マンションの共有部分での浸水被害で個人への影響が大きいのは地下駐車場やエントランス部分が考えられます。雨水が流入することを前提につくられている場所ではないので管理組合と事前対策で土嚢や止水板などを準備しておく必要があります。またマンションでは大切な導線でもあるエレベーター部分に雨水が流入すると運転が停止する可能性があり、高層階の居住者にとっては行動が制限されます。さらにタワーマンションの多くが電気系統の施設を地下に設置しており、地下浸水で電源が失われて停電を起こします。建物に問題なくとも電気がこないと給水ポンプにも影響を及ぼし、なかには断水の恐れもあるマンションも存在します。 このように停電や断水が起きると、水や食料などを高層階に運び込むことが難しくなるため各自の備蓄およびマンション内での高層階や中層階、低層階ごとの備蓄の確保も考えていく必要があります。管理組合としてこのような水害を想定し、設備やシステムなどの整備を行い、備えることが必要となります。

 

・災害関連死ゼロフォーラム
http://zero-forum.jp/

 

・一般社団法人地域防災支援協会
http://www.boushikyo.jp

 

・一般社団法人日本環境保健機構
http://jeho.or.jp

 

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2019年12月掲載)