災害関連死ゼロの社会を目指す(4)

大地震発生後は水を流さない

 

災害が発生しライフラインが途絶した場合に、まず困ることの一つが「トイレの問題」です。断水することでトイレを流す水が確保できないのに加えて、排水管の破損による漏水の恐れから、一定以上の強い揺れ(例えば震度6弱以上)があった場合には水を流さないことが基本です。余談ですが、東日本大震災や熊本地震などの過去の災害では、給排水管の破損だけでなく、電気温水器や洗濯機などの転倒による漏水が原因とした紛争や訴訟が発生しており、「水を流しても大丈夫だろう」といった安易な考えが新たな問題を生み出すリスクとなるため、注意が必要です。

 

 

在宅避難生活でのトイレの考え方

 

それでは、集合住宅内に留まって生活し続ける「在宅避難生活」では、トイレをどのように考えたらよいのでしょうか。基本の考え方は「自宅のトイレを使い続けるために、各家庭で簡易トイレを準備する」ことです。前述のとおり、水を流すことは出来ないため、便座だけを活用し、ビニール袋を便座にかぶせて、その中にトイレ用の凝固剤を入れて用を足します。用を足した後はビニール袋を縛って保管します。ここでポイントになるのが「除菌、消臭性があるトイレ凝固剤を使うこと」です。そのまま用を足してビニール袋で縛って保管すると、保管する間にガスが発生し(場合によっては破裂する)、非常に不衛生な環境を生み出すことになります。可燃ごみの回収が始まるまでのしばらくの間は、各自で保管するようにしましょう。

 

トイレに行きたくない!はとても危険

 

 

 

自宅のトイレを活用して在宅避難生活を続ける、これは非常に大切な考え方です。しかしながら、水洗トイレになれた現代社会において、水を流せないトイレ環境下で生活し続けることは非常にストレスがたまる原因になります。「トイレに行きたくない」→「トイレの回数を減らそう」→「脱水状態の発生やエコノミークラス症候群の発症」→「災害関連死の発生」につながっていく。いのちを守るためにも、トイレ対策は非常に重要なのです。

 

 

一般社団法人地域防災支援協会
http://www.boushikyo.jp/

一般社団法人日本環境保健機構
http://jeho.or.jp

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