73.『パスタが消えた?』【番外編】

~オペラの国の底力~

遅かりしの思いは残るが、わが国にも「緊急事態宣言」が発せられるなど、前号から1か月、新型コロナウイルスの全世界的な感染は、まるでピークを知らぬ如くの拡大を続けた。世界の感染者おおよそ250万人、死者約17万5千人。(4月21日時点、米ジョンズ・ホプキンス大集計より)

◆下降に転じるか?イタリアのコロナ禍◆

アメリカの急激かつ爆発的な拡大がとりわけ気にかかるが、これまで感染者数で世界第3位、死者数が第2位で医療崩壊が進んだ本シリーズの舞台イタリアで、少し明るい兆しが見え始めてきたとのニュースがあった。感染者、死者の上昇に歯止めがかかり、いよいよ下降に転じる兆しとの報告であった。イタリアは知る人ぞ知る濃厚接触の国、家族関係が極めて濃密で、3世代同居という暮らしも珍しくない。加えて親戚はもちろん、友人、知人との親しい会食などが、日常的に行われるお国柄。こうした日常の生活習慣が、今回は仇となったともいわれている。個人的には、人と人のこうした関係を結んでいることは、とても尊いとことだ思うのだが。

◆パスタが消えた?◆

そんな国からパスタが消えた。ご存じの通りイタリア人にとって、パスタは日本のお米のような存在。イタリアのスーパーマーケッットなどでは、10mから20mくらいの陳列棚のすべてがさまざまなパスタで埋め尽くされるというのも珍しくない光景。それほどの国民食というべきパスタが突然棚から消えてしまった。それまで行われてきた特定地域での外出の禁止と、その後、全土に広まった移動制限の発令などによって、パニックを生み買い占めに走らせた結果でもあった。今はようやく落ち着きを取り戻したようなのだが。しかし、寝ても覚めてもパスタのイタリア人、今では何もなかったかのようにバルコニー越しのフラッシュモブオペラの国の底力ともいうべきか。
今号がお手元に届くころには、終息への道が開かれんことを祈りたい。もちろん、わが日本にも。(M)
2020年5月号掲載

 

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