72.『新型コロナ、イタリアが危うい!』【番外編】

 

 ~イタリア人の闘いかた~

籠(こも)ることを余儀なくされた家のバルコニーからオペラ歌手が唄うプッチーニのテノールが聴こえてくる。別の家々の窓からはカンツオーネ”ボラーレ“の合唱が始まる。まるでフラッシュ・モブ(注・本紙2月号8面参照)でもあるかのように自分を鼓舞する。これもイタリア人の闘いかたのひとつ。今号はオリーヴオイルの旅を小休止することをお許しいただきたい。

 

 ◆独りではない、家族がいる、友がいる◆

パンデミックが宣言される中、イタリアの新型コロナウイルスの感染拡大が突出して止まらない。わが国も例外ではないけれど、不幸にして感染によって亡くなられた人の数はわが国の比ではなく、震源とされる中国をも、大きく上回ってしまった。全土にわたる移動の制限、緊急性の高い薬局や食料品などを除いて閉鎖を強いられた店舗や様々な施設。でも、人と車の往来の絶えた街路に流れる歌に、少しもの悲し気ではあるものの、人と人のつながりで、なんとかこの苦境を乗り越えようとするイタリア人の心根が見え隠れする。
“フォルツァ!イタリア、フォルツァ!ジャッポーネ、フォルツァ!イル・モンド”これは筆者が付き合いのあるイタリアの友人たちに送ったメッセージである。訳せばガンバレ!イタリア、日本、そして世界ということになる。

 

 ◆叡智を集めて◆

医師と医療施設の不足でイタリアは医療崩壊の危機に直面している!という。報道によれば、このウイルスが蔓延する前、経済的な危機を逃れるため、イタリアでは700を超える医療施設を閉鎖してしまったとそうである。こうしたことも今回の爆発的な感染拡大を止められない要因のひとつかもしれない。にもかかわらず、別の報道からは、医師たちの不眠不休の献身が伝わってくる。希望的に言えば、中世、西ヨーロッパの人口の3分の1を失ったという、かの有名なペスト禍を乗り超えた人類である。叡智を集めて、人びとの犠牲が無とならないよう、そして、パスタの話など、他愛なくできるよう、我われも可能な限りを尽くしたいと思う。“フォルツァ!イル・モンド”   (M)
2020年4月号掲載

おたずねください。
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