65.「オリーヴオイルが支えるパスタ小史」①

 ~パスタのルーツと世界への旅立ち~

 

 パスタと言えば、いまや日本の国民食といった趣。ルーツは遠く古代ローマ時代に遡るとされます。ここからは、オリーヴオイルなしでは語れない“パスタ”の話にしばらくはお付き合いください。

 

◆「パスタ」を世界に旅立たせた町◆

 

 ピッツアと同様に古代ローマにルーツを持つと言われるパスタも、当時は今のようなものではなく、小麦粉を水で練って焼き、千切りながら食べていたようです。パンが原形となったピッツアの起源にどこか似ています。さて、乾燥パスタを例に取れば、いまのような形になったのは凡そ500年前、保存という必要性に迫られたのが、きっかけとなったようです。南イタリア・ナポリの近郊にグラニャーノという町があります。そう、ここが乾燥パスタ発祥の地とされるところです。西暦78年、大噴火のベズビオ山の火山灰によって呑み込まれたポンペイもすぐ近く。皮肉にも重なるベズビオ山の噴火は、一方で、肥沃な土地の形成につながりました。おかげでこのエリアは、ブドウ、トマトなどベズビオの恩恵を被った作物の宝庫となりました。パスタの原料となる小麦もそのひとつ。ここからパスタが世界の食へと旅立っていくことになりました。

 

おなじみパスタ・ペンネ

 

 

◆“生”それとも“乾燥”?◆

 

 大まかに見れば、パスタ発祥のイタリアでは、南が『乾燥』北が『生』という風に、パスタの食文化はそれぞれ独自の発展を遂げてきたようです。地域の文化を強い誇りとするイタリアの人々にとっては、生、乾燥それぞれがいちばん。筆者が思うには、調理法や合わせる食材、絡めるソースなどにより、生が活きたり、乾燥がベストだったりするのだと思いますが。とは言いながらも、パスタが世界に旅立つきっかけとなったのは、ほかならず〝乾燥〟でした。次回は、数ある、パスタの素顔に旅します。  (M)
2019年9月号掲載

 

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