64.『日本産・オリーヴオイル事情』③

~耕作放棄地に光をあてよう~

 前号で触れましたとおり、日本国内のオリーヴ栽培は、徐々にそして着実に広がりを見せています。しかし、その広がりを下支えするには、農業従事者の熱意や地道な努力に加えて、国や自治体による多大な補助を必要とします。こうした中、いま、オリーヴ栽培を第6次産業化しようという機運が高まってきています。

 

◆右肩下がり・日本の農地を救え◆

 少し古いデータになりますが、農水省が平成28年に発表した「荒廃農地の現状と対策について」によれば、平成26年までの過去15年間における右肩下がりの農地の推移を趨勢とするなら、令和7年には、農地はさらに32万ヘクタール減少して420万ヘクタールまで落ち込むと予測しています。
 しかし、荒廃農地の発生抑制と再生、そして東日本大震災からの復旧といった施策が功を奏すれば、20万ヘクタールの農地回復が可能であるとしています。荒廃農地や耕作放棄地の発生要因は、高齢化や労働力不足、土地持ち非農家の増加、そして農産物物価の低迷にあると言われます。
 こうした背景をともなう農地の減少に歯止めをかけるには官民挙げての支援策の実施が喫緊の課題であることは言うまでもありません。

 

◆オリーヴ栽培で農地の再生を◆

 こうした中、オリーヴ栽培で農地の再生を試みている自治体があります。広島県の江田島では、それまで島の主産業だった柑橘類に代えて手間のかからないオリーヴの栽培に着目。高齢化や傾斜地栽培の負担による耕作放棄地の再生を図るため、自治体と民間企業が主導する形で苗木代の8割補助、球根、整地などに必要な機器のリースや人件費を補助するといった支援策を実施していると、今年3月の「農業新聞」は伝えています。オリーヴ栽培が、減り続ける農地回復の救世主となるか?いま、わが国の農産業の底力が試されていると言えましょう。(M)

2019年8月号掲載

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