60.「トレビス」をご存じですか? ~ほろにが野菜の底力~

アドリア海の女王とも例えられるヴェネツィアから北に約30㎞、ここに今日の舞台“トレビーゾ”という、人口約8万3千人の都市があります。このこじんまりとした街があのアパレルメーカーの「ベネトン」や、有名なコーヒーマシンなどを世界に送り出している電機メーカー「デロンギ」のふるさとだとは、あまり知られてはいません。そこに今日のトレビスは、生まれました。

 

 

◆食べ方選ばぬ万能食材◆

 

 

トレビスはイタリアではもっぱら、秋から冬に食べられている野菜ですが、トレビスがあります。トレビーゾとトレビス、どこか似かよってはいませんか?もうお気づきかもしれませんが、そうなんです、トレビスはフランス語なのですが実はこの町に由来しているのです。赤紫と白のコントラストが鮮やかなこの野菜は形状によって呼び名も変わるようです。日本のデパートなどで見かけるようになりましたが、一見、キャベツと見まがうように結球したものがトレビス、また、屹立するかのように縦長に育ったものは一般にはラディッキオなどなどと称されます。いずれもキク科の、和名をキクニガナ。その名の通りほろ苦さが特徴のチコリの仲間です。

 

 

◆「赤紫」の思わぬパワー◆

 

 

サラダで生食によし、ローストも美味、はたまた、天ぷらにもよしのトレビス。北イタリアでは、フライパンにトレビスと豚バラ肉の塩漬け・パンチェッタとエキストラバージン・オリーヴオイルで手早くソテーしたシンプルレシピ〈写真〉が好んで食べられています。ところでこのトレビスには、からだにうれしいパワーが秘められています。特徴の赤紫の色は抗酸化作用が自慢のポリフェノールの一種“アントシアニン”です。その効能は眼精疲労の回復や高血圧、心筋梗塞や脳梗塞、そして動脈硬化などの予防に効能が期待されています。またカリウムの際立つ豊富さはミネラル不足の方にとっては朗報ですが、腎臓を患っている方などにとっては、摂取に充分な注意が必要です。このトレビス、日本でも秋植えと春植えで、栽培が広がっているようです。ぜひいちどお試しを!
(M) 2019年4月号掲載

 

トレビスとパンチェッタのオリーウ゛オイルソテー

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