113.ベートーヴェン生誕250年

三人のつながり♪

 今年はベートーヴェン(1770年~1827年)の生誕250年で、東京オリンピックも開催される音楽とスポーツの記念の年です。ところで、ゲーテ、ロマン・ロラン、そしてベートーヴェン。三人三様の叡智と明達によって、私は心の底に潤いや豊かさを抱くことを感じ、生きる糧となりました。
 ゲーテの『若きヴェルテルの悩み』やロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』といった彼らの小説は、新しい価値観をも与えてくれました。ゲーテは1749年生まれで、ベートーヴェンより21歳年上です。1812年に二人は出会っています。ゲーテが悲劇の愛国者であるエグモントの一生を描いた戯曲を、ベートーヴェンは劇不随曲を作曲。劇とは独立して演奏されることが多い、その「エグモント序曲」は8分間程の短い曲ですが、重々しさの導入部、物語の展開が進み、最終部ではエグモントがギロチンで断首される情景を音楽的に生々しく表現されています。聴き応えがある作品です。

 

ベートーヴェンへの感謝♫

 ロマン・ロランは幼い時に母親からピアノを習っており、音楽家になりたいとも思っていて、音楽的素養も高かったようです。『ジャン・クリストフ』のモデルはベートーヴェンだと言われています。1927年のベートーヴェン没後百年目、ボンでひらかれた記念祭にロマン・ロランが呼ばれて講演をしました。岩波文庫『ベートーヴェンへの感謝』となって出版されています。
 ベートーヴェンは、7歳頃モーツアルトの前で即興演奏をし褒められていました。その後、名ピアニストとしても活躍し、交響曲や弦楽四重奏曲の多くにウィーンの自然や時代背景を感ずることができます。

 この一年ベートーヴェンを聴きつつ、健康にご留意してお過ごください。
(服部 伸一 エッセイスト・写真家)

集合住宅管理新聞アメニティ448号 (2020年1月号掲載)

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