105.メロディーはやがて総譜に示される

 メロディーだけでは味気ない♪

 

 こころを洗われるような美しいメロディーでも、その良さを聴き手の心に訴えるには、メロディーを生かす、ふさわしいリズムとハーモニーで肉付けすることが必須です。それによって音楽としての楽しみや輻輳し聴きごたえが。
 交響曲などの作曲では、テーマとなる短いモチーフの天啓を得、そこから時間軸でメロディーを展開していきます。頭(こころ)の中で浮かんだメロディーなどはピアノで確認しながら譜面に書き表し、それがピアノ譜です。交響曲はここからが腕の見せ所で、どの部分をどの楽器とどの楽器に演奏させようかといったことを工夫し、単独の楽器では作れないサウンドを考え抜き、オーケストラの楽器群(パート)ごとの総譜に書き起こしていきます。これをオーケストレーションと言います。

 

 オーケストレーションと総譜♪

 

 総譜は上段に高音楽器が、下段ほど低音楽器が記されます。具体的には一番上はピッコロ、次はフルート、オーボエ、クラリネット、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、トランペット、と続き、一番下にはパーカッション(打楽器)、ティンパニーが構えています。
 この総譜から、各楽器ごとのパート譜をつくり、それを見て演奏をするわけです。総譜には、その曲をどのように演奏してほしいのかという作曲家の願いも示されています。勇壮に、とか流れるように、など…。
 総譜は指揮者がその曲全体を把握し、オーケストラを指揮するために必須で、言ってみれば曲全体の設計図のようなもので、作曲家と演奏家をつなぐ重要な図面とも言えます。

 (服部 伸一 エッセイスト・写真家)
集合住宅管理新聞アメニティ440号 (2019年5月号掲載)

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