災害関連死ゼロの社会を目指す(2)

在宅避難生活

● 「在宅避難生活」という考え方
災害関連死ゼロの社会を目指すために、今回は集合住宅における防災対策の考え方についてお話したいと思います。集合住宅では電気や水道、都市ガス、電話、インターネットといったライフラインの稼働が生活上非常に重要です。特に数十階以上の高層住宅では、エレベーターという移動手段もそれに含まれるでしょう。一方で地震災害や風水害では、それらのライフラインが停止します。水は使えない、真っ暗、冷暖房や通信が止まる。そのようなライフラインが停止した中でも、集合住宅内で生活をし続ける、それが「在宅避難生活」という考え方です。

皆様の中には、集合住宅内で生活し続けずに、小・中学校を中心に開設される避難所(指定避難所といいます)に避難をすればよいのではないかと考える方もおられるかもしれません。しかし、これまでの災害教訓から、いくつかの課題が見えてきています。

避難所の収容力 集合住宅が立ち並ぶ地域は人口密度が高いため、それらの住民が一斉に避難所に避難してきても、物理的に入りきれないという問題
避難所の支援力 生活物資などの支援も地域の避難所を中心にして行なわれるが、特に災害発生初期段階で配布される避難所の備蓄量には限りがあるため、受け取ることは非常に困難である
避難所と自宅の移動 必要な生活物資の多くは持参することになるが、エレベーターが停止する中、階段の上り下りで生活物資の持ち運びを何度も行えるかという問題

こうした中で高齢の方の単身あるいはご夫婦の世帯、ご主人が単身赴任で小さいお子さんを抱えたお母さんが、そのような避難生活に耐えられるでしょうか。

● 自助と共助で進める在宅避難生活
「在宅避難生活」は、住民一人ひとり各世帯で行う自助での準備と、管理組合や自治会など集合住宅全体で行う共助での準備の両輪で進めることが大切です。次回からは自助と共助で進める在宅避難生活の具体的な対策方法についてお話します。

一般社団法人地域防災支援協会
http://www.boushikyo.jp/

一般社団法人日本環境保健機構
http://jeho.or.jp

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