マンション改修セミナー

居住者の生活を守る身近で重要な設備

サッシ・ドア・手すりなどは、毎日使うものであり、居住者の安全を守るという、大切な役割も担っている身近で重要な設備である。しかし、サッシ・ドア・手すりなどについて解説している資料は今まであまり出ていない。そこで、日本建築家協会メンテナンス部会が「マンション改装読本―窓や扉・手摺などの手入れから改修まで―Q&A―」を作成し、住宅金融公庫環境部とマンションリフォーム技術協会の3団体で共催しセミナーを開催した。今年6月30日に「サッシ・ドアを改装するには」として1回目のセミナーを開催、それぞれについての概要を説明した。10月21日に開催した2回目の「サッシ・ドア・手すりの取替え改修事例」では、それぞれの部品交換から更新改修までをビデオなどを使い、実際の工事映像を交えてビジュアル的に事例を紹介するセミナーとなった。

最近の開口部改修事情

JIAサッシ・ドア改装委員長の柴田幸夫氏は、平成16年1月国土交通省がマンション標準管理規約を改定し、開口部については管理組合で管理すべきとした。その意図は断熱・遮光・防音など管理組合を中心として、環境に配慮すべしということで、開口部の改修工事については、居住者に限らずマンション全体、国全体での環境問題になっていると、語った。またサッシ・ドア・手すりなどについては、今まで各戸のオプション工事でしか対応していなかった高経年マンションの共通の悩みになると現状を分析した。

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開口部改修工事の重要性を説明をする柴田委員長

アルミサッシについて

改装協会サッシ委員会委員長の佐藤弘道氏は、サッシの経年劣化状態は、使用頻度と日頃の手入れで大きく異なるため一概には判断できない。そのため、管理組合は大規模修繕計画住民アンケートなどで、全住居のサッシの不具合を調査し、劣化状況を把握する必要があり、クレセント・戸車・気密ゴム・ガラスビートなどの消耗品は、管理組合が中心になって、純正部品と交換しサッシ本体を傷つけないように配慮することが、最終的には躯体の保護にも繋がると、語った。

玄関ドアについて

改装協会ドアー委員会技術部会長の山下一也氏は、玄関ドアは防犯・防災対策の性能が最も求められる設備で、時代の流れ(技術革新)に対応した部品の交換も、劣化の度合いに関係なくおこなわれる。防犯性能向上のために錠前(シリンダー)交換・ダブルロック設置・ドアガード強化など、さまざまな対応が求められ、防災性能向上のためには、バネ式丁番などを設置し建物自体が地震などの災害で歪んでも開閉できるように対応することが求められている。別な角度からは、高齢化対策として、ドアノブを握り玉からレバーハンドルへ変更し鍵穴を差し込みやすい「すり鉢状」のユニバーサルデザインのものへ取替えが進められていると、語った。

アルミ手すりについて

改装協会手すり委員会委員の佐山茂氏は、1974年に優良住宅部品認定制度が発足し、ベランダなどのアルミ手すりが認定対象となり、全国へ普及し始め32年が経過した。現在はアルミ手すりが主流だが、1974年以前に建てられた集合住宅のスチール手すりは今、更新時期を迎えている。手すりは安全性を確保するための大切な部材であり、手すりの不備は、即、命に関わる問題になるので、人間と同様に定期診断をし、適宜対応が求められる。と語った。

スチール製からアルミ製

サッシ・ドア・手すりのメンテナンス工事から改修工事について共通していえることは、既存の素材がスチール製であれば、錆による劣化を防ぎ、コンクリート内での爆裂を防ぐアルミ製の素材に変える。これは同時に、錆体にやさしい対応ともいえる。
 開口部のメンテナンス工事・改修工事についてはマンション管理規約上の問題もあってこれからも注目される分野である。

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工事手順をわかりやすうビデオ映像で解説

<アメニティ新聞290号 2006年11月掲載>