給水システム変更及び外壁等総合改修工事

写真:ルネ東品川1写真:ルネ東品川2
ルネ東品川

(東京都・品川区)

建物概要

ルネ東品川は、京急線青物横丁から徒歩6~7分の旧東海道から150m程度海側に立地する、経年22年・14階建・234戸の建物である。第1回目の大規模修繕工事は平成5年に実施されている。

工事着工までの経緯

平成14年に建物及び設備の劣化診断・基本計画作成、平成15年に建築・設備の修繕設計・工事監理のコンサルタント契約を八生設計事務所と締結し、施工業者選定作業を平成15年11月~12月に行い、施工業者を決定し、平成16年3月に着工した。

管理組合の体制の特長

理事会の下部組織である修繕委員会が、改修内容等の検討を行って改修工事が進められたが、サイクルラックは、日常使用している経験から、駐輪委員会がユーザーとして使いやすくするための改良・改善点を駐輪機のメーカーに提案し、特注品として製作された物が設置された。尚、ルネ東品川では共用自転車を設置しているが、駐輪委員会は、共用自転車の運営にも携わっている。

建物・設備劣化調査

建物の劣化状況の特長

全体的には良好に維持・管理されているが、下記の部位に経年等の劣化が見られた。

  1. 屋上廻り
    • 塔屋-アルミ製目隠しルーバーに取り付けられているステンレス製館名板の外れ
  2. 開放廊下廻り
    • 玄関扉、天井付蛍光灯、消火栓箱下部等の錆、塗膜劣化(チョーキング)、アルミ面格子の点食
    • 床面ウレタン塗膜防水の汚れ、笠木部のひび割れ、水溜り、雨の日に滑りやすい
    • 手摺壁及び上裏のひび割れ、漏水跡
  3. 屋外鉄骨階段
    • ササラ桁・目隠しパンチングメタル枠廻り等の錆、塗膜の剥がれ、劣化(チョーキング)
    • 踊場床面及び踏板コンクリート・モルタルのひび割れ・欠け、スチール部の錆
  4. バルコニー廻り
    • 床面ウレタン塗膜防水材の劣化、ひび割れ
    • 上裏塗膜の剥がれ、水切内等の錆鉄筋露出、ひび割れ
    • アルミサッシュ掃出し窓-下部シーリング材の劣化(ひび割れ、チョーキング)
    • アルミ手摺・パーティション枠の汚れ・点食、取付ビス等の外れ・ゆるみ
  5. エントランス廻り
    • エントランス入口屋根防水の劣化(傷、穴明き、立上り端部シーリング材の口アキ)、屋根パネル材のひび割れ・破損
    • エントランスホール床-点検口蓋・枠の変形
  6. 外構廻り
    • 自転車置場上家の錆、波板の凹み、雨樋の外れ・たわみ・破損、サイクルラックの錆
    • その他-アスファルト舗装の劣化、花壇タイル壁のひび割れ・汚れ
設備の劣化状況
  1. 給水設備
    • FRP製受水槽・高架水槽・消火補給水槽の経年劣化、汚れが見られた。又、高架水槽に漏水が発生し、早急な更新が必要であった。
    • 給水管は、抜管及び内視鏡調査を行った結果、錆腐食が進行し、共用部立管は3年以内、住戸内(専有部)給水管は錆コブによる閉塞が著しく、2年以内の更新が望まれる状況であった。
  2. 排水設備
    • 台所系排水管は、共用部は鋼管、アルファーコーティング鋼管、住戸内(専有部)は硬質ビニル管が使用されている。共用部の鋼管は、漏水が発生し、21期に更新工事が行われているため、本調査では当面修繕工事の必要性は認められなかった。

修繕工事の特長等

工事中の集合郵便受
工事中の集合郵便受。
A4サイズが入る郵便受にし、目隠しのガラスブロックを新設
建築の改修
  • バルコニー及び開放廊下等上裏は、旧塗膜を全面ケレンし、コンクリート面に中性化抑制剤を全面塗布し、ポリコーセメントモルタル塗により中性化抑制をはかり、建物の耐久性の維持に努め、仕上塗装を行った。
  • 外壁は、高圧水洗後、シーラ塗りの上、微弾性塗材1.4~1.6kg/m2・2回塗、トップコートはフッ素樹脂塗料を採用した。
  • 屋外鉄部階段は、塗替を行うのに足場掛けが必要なため、重防蝕防水特殊弾性エポキシ塗料を採用し、性能保証を5年間とした。
  • バルコニー及び開放廊下等床等既存ウレタン塗膜防水の上に、新規にビニル床シート貼りを実施。
  • 雨樋をカラー管にて取替。
  • アルミ手摺を点検し、取付ビス等の不良箇所の補修、妻住戸のアルミ手摺に取り付けられている目隠しパネルの取替。
  • 既存駐車場、アスファルト舗装の再舗装、区画ライン塗装、車止め設置及び新規に駐車場を増設しアスファルト舗装を実施。
  • 多目的スリーブの取替、台所換気口を外壁から取り外し、清掃。
  • 消火栓箱及びホース格納箱の腐食箇所をステンレス製に取替、並びに消火管ラッキング取替。
建築のグレードアップ
  • 照明器具
    開放廊下の既存逆富士型天井灯を丸型カバー付き蛍光灯に取替。
  • エントランスホール改修
    エントランスホールは全面的な改修を行い、グレードアップをはかった。出入り扉は木目調の自動扉、天井は既存のアルミスパンドレール天井及び天井直接照明器具を撤去し、間接照明に改修。床タイルは300角タイルに貼替。集合郵便受の取付位置を変更し、ステンレス製でA4サイズの郵便物が投函可能な物に取替。集合郵便受の目隠しとしてガラスブロック壁の新設を行った。
    エントランス:改修前
    改修前メインエントランス
    エントランス:改修後
    改修後メインエントランス
  • 玄関扉取替
    玄関扉は化粧鋼板仕上、断熱仕様、プッシュブル錠2ロックに取替を行い、デザイン性、断熱性、扉の開閉の容易性、防犯性能の向上を行った。
    裏玄関:改修前
    改修前裏玄関
    裏玄関:改修後
    改修後裏玄関
  • 駐輪場改修及び増設
    駐輪場床面及び上家改修とともに、サイクルラックを従来の物より管理組合駐輪委員会が改良・改善した特注品を設置。旧受水槽・ポンプ室跡地に駐輪場の増設も行った。
  • 公園全面改修
    公園は1階ピロティをはさんで南北に設置されているが、植栽により視線がさえぎられ防犯性に不安があるため、視線を南北とも通るようにし、北側公園は床面のレンガ舗装、ベンチ・テーブルの新設、ベンチにフットライト設置、高木の照明のためのアッパーライト設置等を行い、全面的な改修を実施。
給水設備の改修(直結増圧給水へ給水システム変更と給水管更新)

本マンションは、南側公道に埋設されている水道本管から75mm給水管で引込みされ、受水槽より揚水ポンプで高架水槽に送られ、ここから各住戸へ給水されていた。50mmの給水管で引き込まれている50戸程度のマンションでは、増圧ポンプを設置することにより、水道本管から受水槽を経由しないで各住戸へ給水が可能であったが、平成16年6月から、東京都では75mm給水管で引込みされているマンションにおいても増圧ポンプを設置することにより直接給水が可能となった。

ルネ東品川では、高架水槽の老朽化、受水槽・ポンプ室のスペースの活用(駐輪場増設)、メンテナンス費用の低減等をはかるため、直結増圧給水へ給水システムの変更とこれに伴う共用給水管の更新を行った。

尚、住戸内(専有部)給水管は、すでに室内リフォームで取替済住戸があることから、オプション工事とし、「給水管の更新工事」を行った。

「給水管工事の系統図(PDF形式)」をダウンロード

<アメニティ新聞265号 2004年10月掲載>